1~3月に景気敏感株を少しずつ買っていくべきと判断

 さて、こんな時、日本株への投資は、どうしたら良いでしょうか。

 景気悪化を織り込む局面では、景気敏感セクターの組み入れを低く、ディフェンシブ・セクターの組み入れを高く保った方がいいと思います。ディフェンシブとは、「為替(円高)や世界景気変動の影響を受けにくい」という意味です。以下の表で、上に行くほど、景気敏感度が高い業種が多く、下に行くほど、ディフェンシブな業種が多くなっています。

業種分類別の景気敏感度

出所:楽天証券経済研究所が作成

 2018年は、景気敏感株を避けて、ディフェンシブ株中心に投資していた方が良い年でした。しばらく、同様の相場環境が続くと思います。ただし、2019年1~3月のどこかで、ディフェンシブ株を売り、景気敏感株を買うべき局面が来ると思います。2020年に世界景気の回復を見込んでいるからです。

 2018年の日経平均の高値は10月2日ですが、景気敏感株だけを見ると、1月高値のものが多いことが分かります。つまり、典型的な景気敏感株は1月から1年間下げ続けてきたわけです。

 景気敏感株の中には、既に売られ過ぎと考えられるものもあります。1~3月にもう一段売られたら、長期投資で良い買い場となると思います。相対的に値もちが良かったディフェンシブ株を売り、少しずつ売られ過ぎの景気敏感株を買っていったら良いと思います。

 

2018年の投資戦略レビュー

 2017年12月に2018年の日経平均見通しについて書きました。2018年は、前半高く、後半安いと予想しました。その根拠について、以下の通り、書いています。

「2018年も世界景気は、好調と予想しています。ただし、忘れてはならないことは、景気は循環することです。永遠に世界景気が良いはずは、ありません。いつか必ず、世界景気が不調になるタイミングが来るはずです。私は、2019年のどこかで、世界景気は失速すると考えています。それでは、日経平均はいつピークアウトするでしょうか? メインシナリオでは、2018年の半ばと考えています。日経平均は、世界景気よりも、半年から1年早くピークアウトする傾向があるからです。

 日本の景気が2019年に息切れすると考えると、日経平均の天井は、それよりも半年~1年前で、2018年半ばとなります。メインシナリオでは、日経平均が2018年半ばに、2万5,000~2万6,000円に上昇して、その後、ピークアウトすると想定しています。ただし、世界景気が想定より早く、失速する場合は、日経平均の天井はもっと低くなります。」

 2018年の日経平均のピークは、10月2日の2万4,270円でした。2万5,000~2万6,000円まで上昇するとの見方は、残念ながら当たりませんでした。ただし、2018年の世界景気が好調で、2019年に減速するとの見方は、正しかったと思います。

 2019年に私が、年初安・年末高と予想しているのは、世界景気が2019年に悪化し、2020年に回復すると見ているからです。世界景気は循環します。いつまでも良いわけありませんが、いつまでも悪くありません。景気悪化は、近年は1年続いていません。2020年には、米中貿易戦争が緩和し、世界景気が回復すると予想しています。

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