16年決算のサプライズ期待、出荷好調で17年予想の増額修正を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02382 舜宇光学科技(集団)有限公司(サニー・オプティカル・テクノロジー)  51.60 HKD
(03/09現在)
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旧正月休暇の影響やスマートフォン在庫問題に関する市場の懸念にもかかわらず、舜宇光学科技の17年2月の出荷台数は引き続き高水準を維持した。BOCIはスマホの川上部品需要が17年4-6月も堅調に推移するとみている。一方、同社の16年12月本決算については、市場コンセンサス予想が極めて低水準にあると指摘した上で、決算内容の予想上振れと、決算発表時に経営陣が示す17年の業績見通しが、市場予想の上方修正を促すと予想。SOTP方式に基づいて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

2月の出荷状況は引き続き好調で、携帯端末向けレンズセット(HLS)の出荷は前年同月比97.5%増の4240万個。1-2月の累計では前年同期比93%増を達成した。端末カメラモジュール(HCM)の出荷数は2月に同144%増の2940万個で、1-2月では同121%増。車載用レンズセット(VLS)は2月に59%増、1-2月では同49%伸びた。

スマホベンダーによる部品発注の削減を受け、市場ではスマホ在庫の増大に対する警戒感が出ているが、業界筋によれば、これは部品価格が高騰する中、サプライヤーを牽制し、価格決定力を取り戻そうとするスマホブランド側の戦術である可能性が高いという。BOCIはリサーチの結果、川上部品の発注は17年4-6月も健全な水準を維持する可能性が高いと報告している。

一方、BOCIは同社決算に対する市場コンセンサス予想が「過度に低い」と指摘。その原因として、◇現在の市場予想はHLS部門の営業レバレッジを過小評価している、◇2つのカメラユニットを搭載する「デュアルカメラ」の粗利益率はシングルカメラとの比較で1+1=2ではなく、1+1=4に当たるが、市場予想はこの点を反映させていない――との2点を挙げた。うち2つめの点については、デュアルカメラの技術レベルや参入障壁の高さに言及し、当該製品の平均販売価格がシングルカメラ比で3倍以上に相当すると指摘。粗利益はさらに高く、シングルカメラの約5元に対し、デュアルは約20元に上るとの分析結果を明らかにしている。

現在のところ、市場の利益予想の低さから、一部の投資家は同社株の高バリュエーションを警戒しているが、BOCIは決算発表後には市場予想の増額修正が進むとの見方。自社の17年、18年予想純利益についても小幅に上方修正し、SOTP方式に基づいて目標株価を引き上げた(目標ベースは17年と18年の平均値)。今後は◇16年本決算の発表、◇17年利益に関する市場予想の増額修正、◇デュアルカメラの供給ひっ迫感を受けた17年上期の好決算――が支援材料になるとみている。一方、BOCIはレーティングの見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因として、デュアルカメラ機能の浸透が予想よりスローペースとなる可能性を挙げた。