16年12月本決算は実質2桁減益、17年の利益率“正常化”に期待

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00123 越秀地産 (ユエシュウチサン)  1.29 HKD
(02/24現在)
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越秀地産の2016年12月本決算は売上高が前年比5.6%減少し、粗利益率が0.3ポイント低下したが、純利益は同52.1%増の15億4000万元に達した。主に子会社売却益や系列会社のみなし買収に伴う評価益計上が背景。BOCIによると、一回性損益を除いた場合の経常性利益は10億元と、前年実績を19.2%下回る水準だった。経営陣は一回性利益を配当に振り向ける見通しという。一方、同社の利益率はこの先、低採算プロジェクトの計上完了に伴い正常化する見込み。BOCIは17年予想PBR(株価純資産倍率)0.4倍という現在の低バリュエーションや利益上振れの可能性を指摘し、同社株価の先行きに対して強気見通しを据え置いている。

16年の売上高はBOCIの予想を下回ったが、これは同期計上分(引き渡しベースで計上)の分譲面積が前年比7.2%減の184平方メートルにとどまったため。また、計上対象物件の平均販売価格は1平米当たり1万600元と、15年の同1万700元を小幅に下回った。ただ、今期に持ち越した未計上分の平均販売価格は同1万2800元。経営陣は、17年計上分の面積が191万平方メートルに上る見通しを示しており、BOCIは17年に、同社収益がプラス成長を回復するとみている。

経営陣によると、広東省以外での低利益率プロジェクトが影響し、粗利益率は15年、16年と下向いた。ただ、こうしたプロジェクトはすでに、損益計算書(PL)に算入済み。17年には粗利益率が約25%のレベルを回復し、正常化する見通しとなった。

17年の成約目標額は前年比8.9%増の330億元。分譲可能物件の総額が680億元に上るため、販売率は48.5%となる。BOCIによれば、分譲可能物件のうち約55%は広東省広州市のプロジェクトであり、粗利益率がかなりの高水準に達する見通しという。

一方、純負債比率は16年に53.1%と、前年比で20ポイント大きく低減。資金調達コストも前年の4.95%から4.64%に低下した。香港ドル、米ドル建て借入れの割合が前年の53.4%から14.5%に縮小したことで、為替差損リスクが後退した。

BOCIは17年の利益率改善を見込む反面、広州の住宅市況に対しては慎重スタンスを維持している。ただ、同社の現在株価が17年予想PBRでわずか0.4倍の低水準にあり、17年の1株当たり予想NAV(純資産価値)に対するディスカウント率も55.5%に達している点を指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。