主力の靴部門が依然低調、経営立て直し戦略は長期化か

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01880 百麗国際控股 (ベル・インターナショナル)  5.12 HKD
(02/08現在)
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百麗国際の靴部門の既存店売り上げ(SSS)について、BOCIは2017年度第4四半期(16年12月-17年2月)に減少ペースが縮小するとみている。ただ、これは暖冬による前年同月実績の低さが理由。経営構造上の問題は依然残されているとして目標株価を据え置き、株価の先行きに対して中立見通しを継続した。また、靴部門の販路再編や価格戦略の見直し、O2O統合に向けた努力が成就するまでには長期間を要する可能性を指摘。その理由として、同社の事業規模の大きさやブランドポートフォリオ、小売市場を取り巻く厳しい環境――などを挙げている。

靴部門のSSSは17年度第3四半期(16年9-11月期)に前年同期比13%落ち込んだが、BOCIは続く第4四半期にやや持ち直し、同10%程度の減少率に収まるとみている。ただ、これは主に、暖冬の影響を受けた前年同期実績(16年度第4四半期は前年同期比16.5%減)の低さによるものであり、販売量自体は第4四半期にも下向くと予想。同社の価格調整戦略は依然、初歩段階にあるとした。

同社は一部ブランドの平均販売価格(ASP)の調整や、販路およびブランドの再編、O2O統合とオンライン販売の強化に向け、すでに積極的な動きを見せている。過去6-12カ月間には、例えばCRM(顧客関係管理)システムへのアップグレードやソーシャルメディアを通じたマーケティング活動、社内のeコマースチームの立ち上げなどを実施。また、直営、フランチャイズにかかわらず、不採算店の閉鎖を行った。BOCIは同社店舗を対象とした訪問リサーチの後、同じフロアにある他社ブランドの靴店に比べて来客数は多く、百貨店販売における圧倒的な市場シェアをうかがわせたと報告したものの、同社の事業規模の大きさやブランドポートフォリオ(14の自社ブランドと6つのライセンスブランドを展開)に言及。短期間で物理的な変化を遂げることは難しいとし、再編の進ちょく状況に関して、経営陣からさらに情報を得たいとしている。

一方、スポーツウエア部門の17年第4四半期のSSSについて、BOCIは第3四半期(前年同期比4.6%増)とほぼ同じ、1桁台半ばの伸びを見込んでいる。18年度に関しては、前年実績の高さや国内市場全体の減速見通しから、SSSの1桁台の伸びを予想。営業利益率については8%との予測を示した。スポーツウエア部門の利益構成比は、17年度-19年度を通じて38-43%で推移するとみている。

BOCIはSOTP方式に基づいて目標株価を据え置き、同社株価の先行きに対して中立見通しを継続した。レーティングの見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因は、今後の靴、スポーツウエア両部門のSSS動向。SSSが予想以上に低迷すればレーティング引き下げにつながり、逆に予想外に好調であれば引き上げにつながる可能性があるとしている。