16年の大幅減益から一転、原油高を追い風に17年に業績回復見通し

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00857 中国石油天然気 (ペトロチャイナ)  6.25 HKD
(01/26現在)
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ペトロチャイナは2016年12月本決算について、前年比70-80%の大幅減益見通しを発表しており、同期純利益は71億-107億元(中国会計基準)にとどまる見通しとなった。ただ、これはBOCIの従来予想を大幅に上回る数字。10-12月期にはコスト増や資産減損損失の計上が響き、原油高の恩恵をさほど受けられずに終わったとみられるが、BOCIは経営陣が発表した業績見通しを基に、16年通期の利益見通しを上方修正した。さらに経営状況に関する最新情報に基づき、17-18年の利益見通しをそれぞれ25-62%増額修正。これに伴い目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

同社は原油高やガス需要の伸びに乗じる形で、10-12月期に原油、天然ガスの生産量を引き上げた。BOCIは同期の原油、ガス生産量がともに、自社の従来予想を4%の幅で上回ったと推定。最新情報に基づき、17年、18年の原油、ガス生産見通しをそれぞれ2%、10%上方修正した。一方、ガスパイプライン経由の中央アジアからの天然ガス輸入に関しては、増加ペースが減速すると予想。このほか、コスト想定値の変更などを反映させる形で、17-18年の利益見通しを25-62%増額修正した。

うち17年について、BOCIは前年の3.5倍に当たる大幅増益を予想。原油相場の回復を背景に、本土企業の中でトップレベルの利益成長を記録するとみている。

また、投資家にとって、同社株は一段の元安リスクをカバーするための選択肢になり得るとの見方。人民元の対米ドル相場が1%下落するたびに、同社利益が1.4%膨らむとの試算結果を明らかにした。

一方、レーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスクとしては、◇原油相場が急落する可能性、◇国内の天然ガス価格がさらに引き下げられる可能性――を挙げている。

BOCIは利益見通しの増額修正を受け、1株当たり予想NAV(純資産価値)を8.52HKドルから9.15HKドルに上方修正し、SOTP方式に基づいてH株の目標株価を引き上げた。新たな目標株価は予想NAVに対して5.9%のディスカウント水準となる。また、AH価格差(H株株価に対するA株株価のプレミアム率)の3カ月平均値に基づき(1月12日の前回リポート発表時とほぼ同様の56%を維持)、A株の目標株価を上方修正。H株と同様、A株株価の先行きに対しても強気見通しを据え置いている。