16年10-12月期に販売持ち直し、ネット通販好調などで今後も堅調持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00973 L'Occitane International S.A. (ロクシタン・インターナショナル)  15.00 HKD
(01/24現在)
 株価
 企業情報
 チャート

ロクシタンの2016年4-12月期の売上高は10億700万ユーロと、前年同期比で2.3%増(自律成長率は同1.7%)。年度上期に当たる4-9月期の同1.3%増(自律成長率は0.9%)から加速傾向を示した。主にネット通販と新規ブランドの2桁増収が寄与した。オフラインの既存店売り上げ(SSS)は7-9月期に前年同期比1桁台半ばの落ち込みを示したが、BOCIによれば、ホリデーシーズン向けの製品投入やマーケティングキャンペーンの成功を受け、10-12月期にはほぼ前年同期並みに持ち直した可能性が高いという。17年1-3月期以降は前年実績の低さもあり、SSS伸び率の改善傾向が続く見通し。また、セールなどのプロモーション活動を縮小させる同社方針を受け、利益率も改善に向かう見込み。BOCIは同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

16年4-12月期の売上高を国・地域別に見ると、中国(売上構成比10%)ではネット通販サイト「天猫」上での売り上げが前年同期比46%増を記録。さらにSSSも3.3%増加し、全体で11.7%の増収となった。一方、フランス(売上構成比8%)では、既存店売上高の落ち込みが新規ブランドやネット通販売り上げの好調を打ち消す形となり、売上高はほぼ横ばい。日本(売上構成比15%)ではマーケティングキャンペーンの成功やホリデーシーズン向けの製品投入が寄与し、7.2%の自律成長を確保した。米国(売上構成比14%)では、売上高の自律成長率は2%減と苦戦。ネット通販が好調だった半面、百貨店販売の低迷が足を引っ張った。また、香港(売上構成比9%)では主にインバウンドの不振が響き、売上高が予想を下押しする形となった。

市場競争が激化する中にあって、経営陣はプロモーション活動を抑える方針を明らかにしており、これが17年度下期(16年10月-17年3月)の粗利益率の堅調推移に寄与する見込み。また、BOCIは以下の理由から、売り上げの改善傾向も続くとみている。◇17年1-3月期以降は比較対象値となる前年同期実績が低い、◇中国や日本などの主力市場でネット通販が好調を維持している、◇主力市場において新製品の投入を継続する見通し、◇中国および日本でのマーケティングキャンペーンの成功――。BOCIは香港での販売回復ペースの鈍さや不利な為替変動を反映させる形で、17年度(17年3月通期)、18年度の売上高、純利益見通しを1-2%小幅に減額修正しながらも、19年度に関しては現行予想を据え置いている。

BOCIは目標株価の算出基準を17年度から18年度に切り替えた上で、従来と同じフォワードPER23倍(世界の同業銘柄並み)をあてはめ、現行の目標株価を据え置いた。レーティング見直しにつながる可能性がある潜在的なリスク要因としては、不利な形での為替相場の変動や営業コストの予想以上の増大、非中核ブランドが低迷する可能性――を挙げている。