「ダンスキン」ブランドが新たな成長エンジンに、ネット通販も好調持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02331 李寧 (リネイ)  5.07 HKD
(01/09現在)
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BOCIは女性用フィットネス衣料ブランド、ダンスキンの販売免許取得を織り込み、李寧の2016-17年の利益見通しを8-9%減額修正する一方、株価の先行きに対し強気見通しを継続した。ダンスキンの販売権取得は女性向け製品ラインの拡充につながり、「アスレジャー」(運動とレジャーとの融合)人気の高まりや女性のスポーツイベント参加の浸透といったトレンドに合致するとして前向きに評価。19年にもダンスキンの利益寄与が始まるとみている。また、店舗の生産効率の改善やマルチブランド化などの同社経営方針がこの先、持続的なリターンの確保につながるとの見方を明らかにしている。

1882年にニューヨークで創業したダンスキンはランニングウエアやヨガ、ダンスウエアなどを手掛ける女性向けフィットネスアパレルの世界大手。李寧が取得したのは中国本土とマカオにおけるダンスキンの販売権であり、今後はダンスキンがブランドプロモーションを担う半面、李寧が店舗運営や販売、ロジスティクスを手掛けることになる。中国では女性フィットネス市場がまだ小さく、この先の成長潜在力が極めて大きい。李寧は競合が少ないこの分野で先行者アドバンテージを享受するとみられ、BOCIは新規事業の将来性を極めて高く評価している。17年には大都市部のショッピングモールを中心に、5-10店舗を出店すると予想。初期費用については16年に1500万元、17年に7000万元を見込み、店舗賃料と人件費がその大半を占めるとしている。

一方、李寧のコアブランドの在庫処理は順調に進んでいるもよう。BOCIは16年末の対売上高在庫比率が約6.5カ月と、6月末の6.8カ月から改善すると予想。17年にはさらに6カ月に下がる見通しを示した。新旧商品の比率も16年末に80対20と、6月末の76対24から改善するとの見方。在庫処理の進行や新製品の比重拡大を受け、粗利益率は16年下期に46.4%(前年同期比1.5ポイント高)、17年には47.5%(前年比1.0ポイント高)に上向くとみている。

既存店売り上げ(SSS)は16年7-9月期に前年同期比1桁台後半の伸びだったが、BOCIは10-12月期について1桁台後半から10%台前半を予想。前年同期実績が暖冬の影響で低かったため、相対的に高い伸びが期待できるとした。一方、7-9月に約80%増を記録したネット通販売り上げに関しては、10-12月期に35-40%増を見込み、17年もHeroシリーズの投入効果で高い伸びが期待できるとの見方。同社全体の売上高については、◇200-300店舗の開業◇SSSの1桁台の伸び◇ネット通販の高い伸び――などから、17年に2桁台前半を見込む。

BOCIはDCF方式に基づいて目標株価を引き下げながらも(加重平均資本コスト=WACCは9.7%、残存価値増加率2.0%を想定)、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。