16年に販売50%増と好調、17年は目標「100万台」をさらに上振れへ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00175 吉利汽車 (ジーリー・オートモービル)  7.96 HKD
(01/06現在)
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吉利汽車の2016年通年の自動車販売台数は前年比50.1%増の76万5851台と、自社目標を上回り、ほぼBOCIの予想通りの水準に達した。17年について、同社経営陣は100万台との目標を設定したが、BOCIはこの数字は容易に達成できるとみて、現時点で101万5000台を見込んでいる。ただ、このBOCIの予想値には「Lynk&Co」(ボルボのプラットフォームを利用した新ブランド)が含まれていない上に、吉利ブランドのSUVニューモデル2種(金剛と帝豪)の発売や既存SUVの生産増強といった要素が織り込まれておらず、さらに15-20%の上方修正余地があるという。また、16年本決算では、ロシア・ルーブルの為替相場が予想を上回ったことやコア利益の安定増などが利益押し上げに寄与する見込み。BOCIは16年通期純利益について、市場コンセンサス予想を上回る46億元を見込んでいるが、この水準は十分達成可能とし、上振れもあり得るとした。目標株価を据え置き、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

同社の販売台数は16年12月に前年同月比100.9%増を記録し、通年では前年比50.1%の伸びを達成した。ニューモデル3車種の発売を背景に、SUV販売台数が同290.9%の急増を示したが、セダン車も同18.1%と堅調で、国内平均を上回るペースとなった。また、1-3月期の『帝豪EV』(Emgrand EV)の発売により、通年の新エネルギー車販売台数は1万7181台と、目標の1万6000台を上回った。

経営陣は17年の販売目標を前年実績比30.6%増の100万台に設定したが、BOCIは同社が目指す「2020年に200万台」との目標を達成するためには、17年の目標はさらに高めに設定すべきとの見方だ。BOCIは17年の予想販売台数を101万5000台とした上で、SUVニューモデル2種の投入効果や『博越(Boyue)NL-3』『帝豪』GS/GLの増産見通し、新エネルギー車販売の一段の成長余力を指摘。実際には予想をさらに上振れるとみている。

17年には新ブランド「Lynk&Co」の1-2モデルを下期に発売する予定。主力の吉利ブランドに関しては、SUV『金剛』『帝豪』のコンパクト版2種の投入に加え、一部既存車種のモデルチェンジを行う計画。新エネルギー車については『帝豪』プラグインハイブリッド(PHV)を4月、『博越』PHVを年末にそれぞれ発売する予定となっている。

同社は既存車種の設備増強を進めているが、3工場が新たに稼働を開始した16年とは異なり、17年は既存3工場(宝鶏、臨海、晋中)の技術アップグレードによる増産が中心となる見込み。BOCIによると、『博越』の月産能力は4月に2万5000台、9月に3万台(現在は2万台)に上向く見込み。ラインを共有している『帝豪』GSと同GLの月産能力は7月に計3万台(現在は2万台)に達する見通しという。このほか、親会社が保有する「Lynk&Co」の新工場が17年中に操業を開始する運びとなっている。