デュアルカメラ生産拡大へAA装置導入加速、17年の出荷急増を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02382 舜宇光学科技(集団)有限公司 (サニー・オプティカル・テクノロジー)  34.10 HKD
(12/16現在)
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舜宇光学科技はデュアルカメラモジュールの生産力拡大に向け、2017年にアクティブアライメント(AA)装置の導入を積極的に進める計画を明らかにしたが、BOCIはこの計画の背景に同市場に対する経営陣の強気見通しがあると指摘。技術リーダーとしての座を維持するという同社の決意の表れでもあると受け止めている。自前のAA装置だけでなく、外部からの購入を増やす計画に関しては、競争力の低下を懸念する向きも一部にあるが、BOCIはこうした悲観見通しには否定的。サムスン電子と台湾の有力レンズメーカー大立光電との和解や、大立光電による車載用レンズ市場への参入の可能性といったリスク要因についても、最近の株価調整によって全面的に織り込まれたと指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続し、同社をトップピック銘柄に選定している。

アンドロイド・スマホ向けのデュアルカメラモジュールのサプライヤーの中で、現在トップを走るのは舜宇光学科技と台湾のライトン(Lite-On)テクノロジー。うち舜宇光学科技の製品はファーウェイ(華為)「P9」「Mate9」、VIVO「X9」といったアンドロイド主力ブランドの旗艦モデルに採用されている。続く2番手グループは深セン欧菲光科技(深センA株002456)や丘タイ科技(01478)など。BOCIは舜宇光学科技のデュアルカメラ出荷台数が16年の2000万台から、17年には1億台以上に急増すると予想。月産能力を150万台増やすためには3000万元の設備投資が必要になるとみて、17年の設備投資が2億元に上ると予想している。

舜宇光学科技は2年前から自前でAA装置を開発しており、業界筋によれば、現時点では自社製約160台を保有。ほかにASMパシフィック(00522)から購入したAA装置30-40台を保有するという。今後は自社製、他社製両方のAA装置導入を加速させる計画だが、BOCIは自社製をハイエンド製品、他社製を標準製品の製造に振り向けると予想。コストや品質、効率のバランスを取る上で、自社製、他社製を組み合わせた同社のAA装置導入戦略は賢明であるとして前向きに評価している。

他社製AA装置をハイエンドのデュアルカメラモジュールに用いると予測する一部投資家は、競争力の後退と競合他社との均質化を懸念しているが、BOCIはこうした見方に否定的。同社が自社製装置を通じて、すでにこの分野の技術リーダーとしての地位を築いたと指摘。ASMパシフィック製のAA装置が自社製より優れているのであれば、さらなる技術進化が期待できるとし、競合他社との差を広げる要因になり得るとした。

BOCIは目標株価を据え置いた上で、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。同社の現在株価は17年予想PER16.6倍と、魅力的な水準にあるとの見方。一方、レーティング見直しにつながる潜在リスク要因としては、デュアルカメラモジュール事業の展開が予想よりスローペースとなる可能性を挙げている。