株価調整でバリュー再現、ごみ処理発電やバイオマス事業の先行きを楽観

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00257 中国光大国際 (チャイナ・エバーブライト・インターナショナル)  8.37 HKD
(12/15現在)
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BOCIは最近の株価下落を受け、中国光大国際(00257)のバリューが高まったとし、同社の支援材料として以下の点を指摘している。◇WTE(ごみ処理発電)プロジェクトの加速を受けた収益成長見通しの明確化、◇バイオマス発電プロジェクトの高稼働率に伴う採算性向上、◇向こう2-3年間にわたって電気料金値下げの可能性が低いこと――。リスク・リワードの点から同社の魅力が高まっているとし、株価の先行きに対する従来の中立見通しを強気に引き上げている。

WTE事業は予想以上のペースで進んでおり、2016年下期にはプロジェクト9件の建設に着手した(処理能力は日産5.7キロトン)。16年12月時点で建設中の総処理能力は日産15.5キロトン。経営陣によれば、これらプロジェクトは17-18年に相次いで稼働する運びであり、17年末の処理能力は73%増の日産36.25キロトン、18年末には同39.5キロトンに達する見通しという。BOCIはこの数字が予想を15%、4%上回ると指摘。向こう3年間のWTE建設事業の営業収入見通しを引き上げ、同社の16-18年の純利益見通しを0.5-6.3%増額修正した。

一方、バイオマス事業も好調であり、安徽省含山、トウ山にある同社プロジェクトの年間稼働時間は8000時間超(同省エネルギー局資料)。廃棄物の効率的な収集と建材を含む幅広い燃料資源の収集が寄与したという。同社は現在、4つのバイオマスプロジェクトの試験操業を行っており、過去3カ月の稼働時間数はいずれも約2000時間。16年下期にはさらに、総投資額27億元の新規プロジェクト数件を着工させた。BOCIはクリーンテクノロジー(環境保全技術)部門が17年に前年比46%の利益成長を達成すると予想。通期決算発表後には、同部門のスピンオフ上場計画が再び評価対象になるとみている。

BOCIは経営陣との会談の後、WTEプロジェクトを対象とした電気料金値下げが行われる可能性は当面低いとの認識を明らかにしている。控えめに見ても、新規プロジェクトのリターンは向こう2年にわたって安泰との見方。また、仮に18年に操業を開始する新規プロジェクトの電気料金が1kWh当たり0.05元引き下げられたとしても、プロジェクト基盤の広がりがマイナス影響を吸収すると予想。同年の純利益への影響が3%程度にとどまる見通しを示した。

同社株価は過去3カ月間で16%を超えて値下がりしたが、これは主に電気料金値下げへの警戒感やバイオマス発電プロジェクトの採算性への懸念、グリーンテクノロジー事業のスピンオフ計画の遅れなどが背景。BOCIは同社株の売られすぎ感を指摘した上で、DCF方式に基づいて目標株価を引き上げ(新たな目標株価は17年予想PERで14倍相当)、株価の先行きに対する強気見通しを明らかにしている。