16年9月中間期に40%の営業減益、11月には売れ行き回復傾向

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00973 L'Occitane International S.A. (ロクシタン・インターナショナル)  15.44 HKD
(11/30現在)
 株価
 企業情報
 チャート

ロクシタンの2017年度中間期(16年4-9月期)の純利益は前年同期比32%増の2600万ユーロに達した。主に為替差損益のプラス化を受け、BOCIの予想(1600万ユーロ)を上振れた。売上高の伸び悩みやレバレッジの低減、マーケティング費の増大を背景に、営業利益は同40%落ち込んだが、経営陣はイベントシーズンを目前に控えた11月には、新製品投入効果もあって売れ行きが回復傾向を示したと報告している。BOCIは力強い製品ラインや前年同期実績の低さを理由に、17年度下期(16年10月-17年3月)の売上高、利益について、それぞれ前年同期比6%増、8%増を予想。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

4-9月期決算がBOCI予想を上振れたのは主に、為替損益が前年同期の1000万ユーロの差損から差益に転じたため。ただ、営業利益はBOCI予想を14%下回った。その理由は主に、◇既存店売り上げが前年同期比2.5%低下する中、レバレッジの削減を行った、◇ブランド構築やR&D、ITプラットフォーム強化に向け、マーケティング費を積み増した――。BOCIが9月末のリポートで指摘した通り、主力ラインの新製品発売が空白期に当たったことや、全般にさえない消費センチメントが年度上期の業績に影響した。

ただ、経営陣によれば、イベントシーズンが迫ったことで、世界の大半の市場では11月に入ってから売れ行きが上向いているという。また、競争が激化する中にあっても製品価格は底堅く、粗利益率の安定化やブランディング力の強さをうかがわせている。特に、中国のネット通販最大手、天猫(Tmall)の店舗では、ネット通販の一大セールイベントが行われた11月11日(独身者の日)の売上高が前年同期比70%増を記録。また、フランスでの販売状況も、テロ事件によるマイナス影響から回復傾向にあるという。BOCIは16年10-12月期に一段の販売回復を見込み、その理由として以下の点を指摘している。◇主力の新製品やクリスマスコレクションの投入、◇技術問題解消を受けた中国および日本でのネット売り上げの成長期待――。また、17年1-3月以降に関しては、比較対象となる前年同期実績の低さに言及。17年度下期(16年10月-17年3月)には前年同期比で7%の営業増益を達成するとみている。

BOCIによると、レーティング見直しにつながる可能性のある潜在リスク要因は、不利な為替相場の変動、営業コストの予想以上の増大、非中核ブランドの不振など。

BOCIは17年度、18年度の利益見通しをそれぞれ3%、2%引き上げたが、19年度に関しては営業経費の増大を見込み、1%減額修正した。17年度/18年度の予想EPSを基にPER23倍をあてはめた上で(国際同業銘柄とほぼ同水準)、目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。