風力稼働状況が一段の回復傾向、15-18年に年率22%の増益見通し

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00958 華能新能源 (フアナン・リニューワブルズ)  2.50 HKD
(11/10現在)
 株価
 企業情報
 チャート

華能新能源の最新業務統計によると、2016年10月の発電量は前年同月比29%増の1793GWhに達した。主力の風力発電が同30%の伸びを示したためで、太陽光発電は同13%増。風力の設備稼働時間数は同9%増の170時間に上り、これで1-10月では前年同期比と5.3%増と、1-9月の同4.9%増から加速した。南部の大半のエリアや北部の一部省市における稼働時間数の力強い回復が背景。発電制限措置の一段の緩和を受け、中でも新疆ウイグル自治区で稼働状況の持ち直しが目立った。BOCIは制限緩和を理由に、16年10-12月期の稼働状況について力強い回復を見込み、16年下期の同社利益が前年同期比28%の伸びを示すと予想。15-18年に関してはUHV(超高電圧)ラインの整備や政策的追い風を理由に、年率平均22%の利益成長を見込んでいる。

風力発電の10月の稼働時間数の回復に寄与したのは、◇広東省(前年同月比54%増)、雲南省(19%増)、貴州省(21%増)など、南部の大半で稼働状況が回復した、◇北部では内モンゴル自治区(17%減)、吉林省(40%減)で苦戦する半面、遼寧省(15%増)、新疆ウイグル自治区(87%増)、陝西省(13%増)では好調だった――ため。BOCIはうち新疆ウイグル自治区で稼働時間数が急増した要因として、哈密-鄭州間UHV送電網(送電容量は送り手側の哈密で349MW、鄭州で448MW)の貢献を指摘している。

同社だけでなく、風力発電最大手である龍源電力集団(00916)の10月の業務統計も好調であり、両社ともに稼働時間は前年同月比9-10%増。前年同月実績の低さに加え、地理的配置の優良化を受けた発電制限の緩和が寄与した。一方、華能新能源の稼働時間数は龍源電力集団に迫りつつあり、10月には後者をわずか2%ほど下回る水準。華能新能源の稼働時間数は雲南省、新疆ウイグル自治区で龍源電力集団を下回る一方、広東省や一部東北地域では上回った。

BOCIは16年下期に前年同月比28%の利益成長を見込み、同社株価の先行きに対する強気見通しを継続した。レーティング見直しにつながる可能性のある潜在リスク要因としては、稼働時間の回復が予想を下回る可能性を挙げている。