16年7-9月期は10%増益、12月通期決算も堅調持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00763 中興通訊 (ZTEコーポレーション)  10.96 HKD
(10/28現在)
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中興通訊の2016年7-9月期決算は前年同期比10.5%の増益となった。売り上げの堅調や子会社売却益の計上、為替差損の計上などが2桁増益に寄与した。16年12月通期には、国内外の通信キャリアによる4Gネットワークおよび光ネットワーク投資や、完工済みプロジェクトの収益計上が好決算を支える見込み。BOCIは同社株価の先行きに対して強気見通しを据え置いている。

7-9月期決算は前年同期比5.2%増収、10.5%増益と堅調。利益率の高い一部国内プロジェクトの収益計上を見送ったため、粗利益は4.5ポイントダウンした。同期には投資収益5億7900万元を計上したが、これは主に、子会社2社(訊聯智付網絡、中興智聯科技)の権益売却益。また、元安による為替差益は4億400万元に上った。一方、在庫は15年末の197億元、16年6月末の258億元から291億元に膨らんだが、BOCIは主に、一部完工済みプロジェクトの収益計上見送りが在庫増大を招いたとみている。

1-9月期の純利益はこれで29億元となり、BOCIの16年通期予想の達成率は72%。通期予想をクリアするためには、10-12月に10億元の純利益計上が必要となるが、同社にとっては例年10-12月期がピークシーズン。さらに持ち越し分の収益計上や為替差益の計上が見込めることから、BOCIは通期目標の達成を楽観。ストックオプションの条件達成も問題ないとみている。

米国による輸出規制措置をめぐり、同社は現在、米国当局と意思疎通を図っており、臨時輸出免許の有効期限はひとまず、11月28日まで延長された。BOCIは、早ければ年内にも最終結果が出る可能性を指摘。例え制裁金支払い裁定が下ったとしても、不透明感の払拭につながる点で同社にプラスとみている(米国の輸出規制は2010年に制裁下にあったイラン政府系通信会社に監視システムを納入したことに対する制裁措置)。

BOCIは目標株価を16年予想PER14.4倍の水準に据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。一方、レーティング見直しにつながる可能性のある潜在リスク要因としては、国内通信キャリアの設備投資が予想を下回る可能性や、米国当局の調査を取り巻く不透明感――を指摘している。