16年7-9月期に43%増益達成、官民連携プロジェクトの始動が追い風に

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03311 中国建築国際 (チャイナ・ステート・コンストラクション)  10.94 HKD
(10/20現在)
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中国建築国際の2016年7-9月期決算は、売上高、営業利益がそれぞれ前年同期比30.8%、43.2%の伸びを示した。売り上げの拡大や前年同期実績の低さ、粗利益率の回復などが好決算を支えた要因。主に、中国政府が推進する「PPP(官民連携)プロジェクト」の始動が寄与した。BOCIは同期の好決算やアナリスト・リバースロードショー(リバースロードショーとは、通常とは逆に投資を望む側が株や債券などの発行体に出向く活動)の実施が短期的に、同社株価の支援材料になるとの見方だ。また、PPP効果による新規受注の増加見通しを理由に、建設セクター全体のアウトパフォームを予想。同社株価の先行きに対し、強気の見通しを継続している。

同社は積極的にPPP建設プロジェクトの獲得に動いており、同プロジェクトの着実な実施が7-9月期の前年同期比30.8%の増収に寄与した(4-6月期は同5.1%増)。また、同社のアナリスト・リバースロードショーは近く実施される予定となっている。

PPPプロジェクトの進行を背景に、7-9月期には粗利益率が回復。営業利益率も前四半期の6.1%から16.1%に大きく上向いた。続く10-12月期には一回性引当金の剥落が利益成長率の押し上げに寄与する見込み。15年10-12月期には水道水の鉛濃度が基準値を超えた問題への対処に約2億HKドルの一回性引当金を計上したが、16年10-12月期には引当金計上は見込まれていない。また、実際にかかった費用が引当金を大幅に下回ったことから、戻し入れを実施する可能性もあるという。

一方、新規受注は14年に前年比32%強に達した後、15年には同16.4%増に減速。16年1-9月期も前年同期比16.4%の伸びだった。新規受注のスローダウンは、本土の主力事業が「公共住宅(保障性住宅)建設プロジェクト」から「PPPインフラモデル」にシフトする過渡期に当たったため。また全般的に、PPP事業の履行状況が予想を下回るペースとなっている可能性もあるという。同社はPPPプロジェクトを大量に請け負っているため、建設セクターの同業銘柄に比べ、その履行状況に対する敏感度が高い。

BOCIは同社のファンダメンタルズや情報開示面の透明性の高さ、効率的な経営スタイルを前向きに評価。利益見通しと目標株価を現行水準に据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを維持している。