16年中間期は1%の小幅増益、不動産ローンの比重拡大で資産劣化懸念は限定的

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00939 中国建設銀行 (チャイナ・コンストラクション・バンク)  5.82 HKD
(08/26現在)
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中国建設銀行の2016年6月中間期の純利益は前年同期比1.1%増の1330億元だった。4-6月期には前年同期比で0.33%の微増益を達成したものの、前期比では3.6%の減益。主に手数料収入が下押ししたことで、同期純利益はBOCIの予想を0.4%下回った。一方、貸出残高に占める不動産担保ローンの割合は期末に28.56%と、15年末の26.45%から一段と上向いており、BOCIはこの点が長期的な資産の健全性維持を後押しするとの見方。資産構成の改善を理由に、同行H株の目標株価を4%引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

不良債権比率は4-6月期末に1.63%と、1-3月期末並みの水準を維持した。不良債権残高は前期比で3.1%増。BOCIの推定では、期中の新規の不良債権発生率は1.34%と、15年上期の1.4%、15年通期の2%から改善傾向を示した。BOCIは不動産ローンや法人向け中長期融資のウエート拡大が長期的な資産の健全性維持に寄与するとしながらも、国内経済の減速を受け、この先当面は不良債権指標の悪化が続くとみている。同行の4-6月期の引当率は151.6%(不良債権残高に対する比率)だった。

4-6月期の純金利マージン(NIM:増値税改革による影響を除外)について、BOCIは前期並みで推移したと推定している。7-9月期のNIMについても、不動産ローンの利率調整を理由に前期比横ばいを見込んでいる。

一方、手数料収入は4-6月に予想以下の水準にとどまった。主に代理手数料収入の低迷が原因。ただ、前年同期実績が低くなる7-9月期には、手数料収入の伸び率回復が期待できるという。

BOCIはレーティングに影響しかねない同行の潜在リスクとして、中国経済の予想以上の低迷や不動産価格の大幅な下落を挙げている。

同行H株は現在、16年予想PBR(株価純資産倍率)0.78倍の水準で取引されている。4大国有商業銀行の平均0.71倍を上回るものの、中国工商銀行(01398)をやや下回る水準。BOCIは資産劣化リスクの相対的な低さに言及した上で、中国建設銀行が同業銘柄に対する高プレミアムに値するとの見方。目標株価を4%引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを据え置いている。