16年中間期は実質赤字、原油相場の回復で下期の業績改善を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00857 中国石油天然気 (ペトロチャイナ)  5.22 HKD
(08/26現在)
 株価
 企業情報
 チャート

ペトロチャイナの2016年6月中間期の純利益は、前年同期比98%減の5億3100万元(国際会計基準)。特別利益245億元(合弁会社の持ち分売却益)の計上により、かろうじて最終黒字を確保した。業績悪化の主因は同社の稼ぎ頭とも言える探査・生産(E&P)部門の大幅な採算悪化であり、ほかに中国当局が15年11月に実施した天然ガス価格の引き下げも痛手。川下の石油精製部門の業績は原油安を追い風に回復したものの、E&Pの業績不振による悪影響をカバーしきれなかった。BOCIは原油相場の回復を理由に、下期の大幅な業績改善を予想しながらも、16年通期の利益見通しを17%の幅で減額修正。一方、17年-18年に関しては44-67%の幅で大幅な上方修正に踏み切った。同社の目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

E&P部門は中間期に24億元の営業損失を計上し、前年同期の329億元の営業黒字から急降下した。BOCIによれば、245億元(税引き前)の権益売却益を除いた場合、同期のコア損益は全体で270億元の赤字だったという。主に原油実勢販売価格が前年同期比36%安の1バレル33.09米ドルにとどまったためで、ほかに11月に値下げ対象となった天然ガスの実勢販売価格も同24%下落した。天然ガス値下げはE&Pだけでなく、天然ガス・パイプライン部門にも影響し、同部門は23%の営業減益となった。

好調だったのは原油安がコスト圧縮につながる川下部門で、石油精製・化学部門の営業利益は前年の5.9倍の275億元に達した。1月と4月の製品値上げも追い風となり、うち精製事業の営業利益は同3.86倍の214億元。化学事業は9億元の黒字に転換した。

中間期の設備投資は前年同期比17.5%減の509億元で、この数字はBOCIの通期予想の26%相当。フリーキャッシュフロー(営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計値)は前年同期の2.7倍に当たる286億元に達した。同社は16年通期の設備投資予算を前年比5%減の1920億元に据え置いている。

BOCIは16年下期のブレント原油の平均価格を1バレル当たり49米ドルと予想し、上期の同41米ドルを大きく上回るとみている。これにより、原油生産で64%の国内シェア(15年)を握る同社のE&P部門の業績回復を予想。下期の同社コア利益が上期を大きく上回る見通しを示した。経営陣は16年通期の原油生産目標を前年比3%減の8億9800万バレルに設定しているものの、BOCIは生産量の小幅減による影響は限定的との見方だ。下期にはまた、昆侖能源(00135)への昆侖ガス注入に伴う35億元の特別利益計上が見込まれるという。

BOCIは16年の予想利益を減額する半面、17年、18年の利益見通しを増額修正。これを受け、SOTP(サム・オブ・ザ・パーツ)モデルの予想NAV(1株当たり純資産価値)を6.77HKドルから7.18HKドルに上方修正し、目標株価を引き上げている。