16年4-6月期に32%増益、4Gプロジェクトなどの貢献で下期も安定成長持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00763 中興通訊 (ZTEコーポレーション)  11.56 HKD
(08/26現在)
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通信キャリアによる力強い設備投資需要を受け、中興通訊の2016年4-6月期の税引き前利益は前年同期比32.3%の伸びを示した。BOCIによると、続く16年下期には4Gおよびファイバー幹線のアップグレードが利益底上げやキャッシュフローの改善に寄与する見込み。さらに人民元安を背景とする為替差益や子会社売却益の計上が利益上乗せにつながる見通しという。BOCIは16年予想PER14.4倍をあてはめて同社目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

4-6月期決算は売上高が前年同期比4.0%増、税引き前利益が32.3%増。主力3事業がそろって増収を確保し、同社全体の粗利益率は前年同期並みとなる32.3%を維持した。期末在庫は258億元と、15年末(197億元)比で膨らんだが、BOCIは主に、中国国内での一部完工済みプロジェクトの計上が遅れたことが影響したとみている。こうした持ち越し分の計上や新規の4Gプロジェクトなどが、下期の安定成長を支える見通しという。

16年上期の金融収支は9500万元の純収益となったが(前年同期は10億元の純支出を計上)、これは為替差益による効果。営業キャッシュフローが前年同期比56%増の24億元に達したことも、財務費用の軽減に寄与した。BOCIは元安トレンドやキャッシュフローの健全さを指摘し、財務コスト圧力は下期も軽微にとどまるとみている。

同社は全額出資子会社である深セン市訊聯智付網絡(Xunlian Zhifu)の株式90%を売却する計画であり、すでに政府当局の承認を取得済み。この取引に伴い、7-9月期に3億-3億8000万元の売却益を計上する見通しとなった。BOCIはその他子会社株の売却と合わせ、16年下期の投資収益が約5億元に上ると予想している。

米国による輸入規制措置をめぐり、同社は現在、米国当局と接触しており、最終解決に向けて意思疎通を図っている。臨時輸出免許の有効期限はひとまず、11月28日まで延長された(米国の輸出規制は2010年に制裁下にあったイラン政府系通信会社に監視システムを納入したことに対する制裁措置)。

BOCIはレーティング見直しにつながる可能性のある同社の潜在リスクとして、国内通信キャリアの設備投資が予想外に低迷する可能性や、米国当局の調査を取り巻く不透明感を挙げている。