スマホのデュアルカメラ普及が追い風、今後のiPhone7発売もプラス要因に

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02382 舜宇光学科技(集団)有限公司(サニー・オプティカル・テクノロジー)  26.95 HKD
(06/10現在)
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BOCIによると、舜宇光学科技の携帯端末関連ビジネスにとってはこの先、iPhoneや中国ブランドによるデュアルカメラ機能の相次ぐ搭載が追い風となる。端末カメラモジュール(HCM)に関しては、中国国内のスマホベンダーによる同社製品の採用がハイエンド市場でのシェア拡大につながる見込み。また、端末向けレンズセット(HLS)については、iPhone7によるデュアルカメラレンズ需要の伸びが期待され、結果的に国内市場での台湾企業Largan(大立光電)との競争環境が和らぐ見通しという。BOCIは目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

同社のHCM部門にとってはデュアルカメラ搭載スマホの普及が追い風。中国の大手スマホメーカー、華為科技は4月発売の新モデル「P9」にデュアルカメラを搭載。今後は主力機種「Honor V8」にも搭載する方針を発表済みだ。米アップルもiPhone7の大画面バージョン「iPone7 Plus」にデュアルカメラを搭載する可能性が高いという。舜宇光学科技はHCMの中級市場で深セン欧菲光(O-Film)による激しい追い上げを受け、16年1-5月のHCM出荷量は前年同期比6%減。ただ、BOCIによれば、舜宇光学科技は欧菲光に対し、技術力で9-12カ月ほど先行し、デュアルカメラ普及に伴うハイエンド市場でのシェア拡大が、中級市場でのシェア縮小という要因を一部相殺する見通し。

HLSに関してiPhoneとアンドロイドスマホのデュアルカメラ市場で圧倒的シェアを誇るのが大立光電。日本のカンタツもiPhone向けに一定のシェアを握る。一方、舜宇光学科技は現状でデュアルカメラ向けのレンズ技術を持たないが、今後はiPhone7の発売で大立光電とカンタツの設備稼働率が上昇し、結果的に両社の中国向けビジネスが手薄になる見込み。舜宇光学科技にとってはシェア拡大の好機につながる見通しという。

舜宇光学科技のHLS出荷個数は5月に前年同期比24%増、前月比16%増となる2420万個。1-5月では前年同期比12%の伸びだった。一方、HCMの5月の出荷は前年同月比5%増、前月比で横ばいの1940万個。1-5月では前年同期比6%減。同社は現在、HCMの通期出荷目標を前年比15-25%に設定しているが、この先下方修正する可能性が高まっている。このほか、車載用レンズセット(VLS)の出荷数は5月に前年同期比20%増、前期比8%増と好調。1-5月では前年同期比49%の伸びとなった。

BOCIによると、レーティング見直しにつながる可能性のある潜在リスク要因は、HLSおよびVLSの出荷伸び率の減速や、HCMの利幅低下など。 BOCIは16年のHCM出荷数に関する想定値を前年比15%増から8%増に下方修正。HLSに関しても同28%増から15%増に引き下げた。これを受け、16年の利益見通しを10%減額修正したものの、バリュエーションベースを17年予想に変更。SOTP方式に基づいて、同社目標株価を引き上げている。