在庫処理の進展で利幅改善へ、16年の大幅増益を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02331 李寧(リネイ)  3.19 HKD
(05/27現在)
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BOCIは店舗網の拡大や店舗生産性の改善、オンライン販売の拡大などを理由に、李寧の在庫処理の進捗状況を楽観している。同社は新たに400-500店舗を出店したが、6カ月を超える長期在庫の減少を受け、全販路における在庫はほぼ横ばいで推移する見込み。また、新製品の販売比率の上昇により、粗利益率が改善する見通しとなった。BOCIは自社が設定した2016年通期の予想純利益2億5000万元(15年には純利益1400万元で黒字転換)について、実際に達成可能とみている。

在庫回転日数は16年に6-6.5カ月(15年は7.1カ月)に縮小する見込み。BOCIは6カ月未満の在庫が10%増加すると想定し、6カ月超の長期在庫については2-23%の減少を予想している(15年には6%減)。また、既存店売り上げについては、不利な気象条件にもかかわらず、1-3月期に1桁台前半の伸びを達成したとの見方。4-5月も回復傾向が続くとみている。

新製品販売の伸びを理由に、BOCIは16年の粗利益率について前年比1ポイント高の46%を見込んでいる。李寧は利幅の高い直営店の比率の高さが強みだが、それでも予想粗利益率は競合の安踏体育用品(02020)の予想値(16年に46.9%)をやや下回る水準。ただ、在庫状況の健全化で値引き率が縮小すれば、李寧の粗利益率はさらに上向く見通しという。BOCIの推定によると、新製品の値引き率は10%台前半。李寧の小売りレベルでの値引き率は現在、30%台前半から半ばの水準にある。一方、安踏体育用品の値引き率は通常、20%台半ばから後半であるという。

直営店、フランチャイズ店、オンライン販売の売上比率を40対40対20とする同社目標を考慮し、BOCIは純利益率について「長期的に10-12%が適正」とみている。また、通期利益10億元のレベルは恒常的に達成可能との見方だ。この利益水準に基づく現在株価のPERが6倍にとどまる点に触れ、この先の業績回復に伴う上値余地を指摘した。

同社の潜在リスク要因は、予想以上に在庫処理に苦戦する可能性やコスト動向。ただ、BOCIはDCF(割引キャッシュフロー)モデルに基づいて目標株価を設定し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。