16年1-3月期決算は予想下振れ、スマホの販路再編などで当面苦戦か

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00992 聯想集団(レノボ・グループ)  4.98 HKD
(05/27現在)
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レノボ・グループの2016年度第4四半期(16年1-3月期)決算は売り上げの低迷を受け、BOCIの予想を下振れた。パソコン(PC)ビジネスが世界的な景気減速や為替相場の変動を受けて低調。中国国内のスマートフォン事業も、これまで通信キャリア経由だった販路のオープン化という転換期に当たったことが響いて苦戦した。BOCIは景気減速下で短期的にはPC事業の逆風が続くとし、スマホ事業についても新たな販路や製品ラインの構築にはある程度時間がかかると予想。同社の目標株価を引き下げた(新たな目標株価は17年度予想PER9倍)。

16年1-3月期には、売上高、純利益ともにBOCI予想を16%下回った。売上高は前年同期比で19%減少し、前期比では29%減。粗利益率はスマホ事業のウエート縮小で前年同期比0.9ポイント改善し、営業利益はコスト削減で同95%増。純利益は前年同期比81%増加したが、前期比で見ると40%の落ち込みとなった。経営陣は1株当たり2.64米セントの期末配当を実施する方針を明らかにしている。部門別に見ると、PCの売上高は前期比23%減少し、ほかに法人向け事業が同25%減収、スマホ事業が同46.5%の減収だった。スマホ出荷台数は前期比46.2%減の1090万台。需要閑散期に当たったことや販路シフトに伴う通信キャリア経由の販売台数の急減、さらに北米・中南米市場での新製品投入の遅れなどが痛手となった。

スマホ事業は1-3月期に再び赤字に転落した。経営陣は向こう2-3四半期にわたり、投資を継続し(販路、ブランディング、製品など各方面)、この間に長期成長を睨んだ事業基盤を再構築する計画を明らかにしている。BOCIはこうした同社戦略を考慮し、短期的には端末ビジネスの赤字が続くとの見方だ。一方、市場ではモトローラ・モビリティー買収に絡むのれん代の損金処理を迫られるとの警戒感が浮上しているが、同社はスマホ事業の長期の収益性に自信を示し、そのリスクはさほど大きくないとしている。16年3月通期のスマホ出荷台数は6600万台だったが、17年3月通期に関して経営陣は横ばいを見込む。また。PC事業に関しては世界市場全体を5-10ポイントの幅でアウトパフォームすると予想。17年3月期に関してはプラス成長回復に期待するとコメントしている。

一方、地域別に1-3月期の業績を見ると、売上構成比は北米・中南米が30%。欧州・中東・アフリカ(EMEA)が27%、中国国内が26%、アジア太平洋が17%。PCの市場シェアは国内とアジア太平洋で1位となり、EMEAでは2位、米国では3位。また、スマホ事業を見ると、国内では販路再構築の影響で前期比85%減収。スマホ出荷はアジアで前年同期比44%、EMEAで同29%増加したものの、北米・中南米ではMotoGの発売の遅れが響いて低調だった。