16年2月本決算で38%減益、不振のフットウエア部門の再編実施へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01880 百麗国際控股有限公司(ベル・インターナショナル)  4.75 HKD
(05/25現在)
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百麗国際控股の2016年2月本決算は純利益が前年比38.4%減の29億元(EPSは0.45元)にとどまった。主に既存店売り上げの落ち込みと一回性の減損損失14億元の計上が業績悪化要因であり、コア純利益は同9.9%減の43億元。フットウエア部門の営業利益率の相対的な高さから、BOCIの事前予想を4%上回った。経営陣はこの先、フットウエア部門の再編を行う計画。消費志向の多様化に対応するため、向こう2-3年間にわたって販路や製品R&D(研究開発)、ブランドポジションを再構築するという。BOCIは同社の戦略見直しが予想より遅れたとしながらも、長期的に持続可能な成長を目指す上では適切な方針であると前向きに評価している。また、ブランド構築に伴うコスト増の可能性を指摘し、今後は特に利益率の変化に注目する必要があるとの見方。現在株価の低バリュエーションに振れ、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。

主力のフットウエア部門の売れ行きはここ2年間悪化しているが、経営陣はその理由として、◇フォーマルではなく、カジュアル/ファッションスニーカーの購買頻度が上昇していること、◇靴消費がファストファッションブランドにシフトしていることやネット通販利用の拡大による販売チャネルの多様化、◇より個性を主張できるニッチブランド志向の高まり、◇自社の販路が百貨店に依存していること、◇短期的な採算性を重視するあまり、これまで戦略見直しを見送ってきたこと――などを挙げた。BOCIはR&Dの強化と販路多様化が再編成功のカギを握るとの見方。社外の資源を積極的に活用することで、サプライチェーン強化を図る可能性が高いとみている。

一方、スポーツウエア部門は需要増を背景に好調。ナイキ、アディダスだけでなく、プーマ、コンバース、ニューバランスといった、いわゆる2番手ブランドも売れ行きを伸ばし、年度下期に前年同期比32.5%の売り上げ増を達成した。各店舗の生産性向上や、個性重視のニッチブランド志向の高まりが寄与したという。 続く3-5月のフットウエアの既存店売り上げ(SSS)は前年同期比で推定1桁台後半の落ち込みを示したもよう。スポーツウエアのSSSは推定1桁台半ばの伸びとなった。BOCIはフットウエアのSSSが年内低迷すると予想しながらも、スポーツウエアは堅調を維持するとみている。

レーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスク要因はSSSの減少ペースの加速やスポーツウエア販売の減速など。

BOCIはSOTP(サム・オブ・ザ・パーツ)方式に基づいて目標株価を小幅に引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。スポーツウエア事業に関しては17/18年度の予想PER15倍(部門予想EPS0.205元)、フットウエアに関しては同6倍(同0.262元)をあてはめている。