16年10-12月期向けの商談会受注、子供向けなどの好調で伸び率加速

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02020 安踏体育用品(アンタ・スポーツ・プロダクツ)  19.08 HKD
(05/19現在)
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安踏体育用品の2016年10-12月期向けの商談会受注は、前年同期比で2桁台前半の伸びとなった。子供用品や機能性製品の受注増に加え、旧正月商戦向けの受注が一部始まったことで、7-9月期の1桁台後半から加速傾向を示した。また、1-3月期の「安踏」ブランドの売上高は前年同期比1桁台半ばの伸び。ネット通販や子供向け製品が好調だった。BOCIは3月の不利な気候条件や小売店の一段の値引きを理由に、1-3月期の既存店売り上げ伸び率(SSSG)が1桁台前半にとどまったとみているが、経営陣によれば、SSSGは4月以降、回復傾向にあるという。ブランド別ではイタリアのフィラ(Fila)が年初から好調。BOCIは同社の目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを維持している。

「安踏」ブランドの1-3月の小売売り上げは前年比1桁台半ばの伸びとなったが、これは主に子供向け製品の販売額とネット通販売上高がいずれも50%超の伸びを示したため。BOCIによると、大人向け店舗のSSSGは1桁台前半の伸びにとどまったとみられるが、これは中国南部で降雨が続いたことが一因。1-3月の小売り値引き率は悪天候の影響で32-33%と、前の期の30%から拡大したという。在庫回転日数は4月末時点で4-5カ月と、引き続き健全な水準。セルスルー率(販売率)は60-70%だった。

16年10-12月期向けの商談会受注は2桁台前半の伸びだったが、BOCIはうち子供用品の売り上げ伸び率が前年同期比30%を超えたとみている。また、1-3月に売れ行き好調だった機能性製品の受注も増加。さらに17年の旧正月が例年より早めの1月下旬であることも同期向けの受注増に寄与したという。BOCIによると、うち大人向け製品の受注はシューズ、アパレルともに1桁台の伸び。うちシューズは平均販売価格の上昇率が1%弱にとどまる半面、受注量が1桁台半ばの増加率を示した。アパレルは平均価格が1桁台前半の下落率を示したが、受注量は1桁台後半の伸び。機能性製品の受注が増加する一方、異常気象を背景に小売店舗が在庫を抑えたため、防寒用ジャケットの受注が減少した。

BOCIは今後のレーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因として、中国国内市場での海外ブランドのシェア拡大や、国内の同業者との競争劇化、予想を超える営業コストの増大などを指摘している。

BOCIはフォワードPER20倍をあてはめて同社の目標株価を設定したが、これはヒストリカル12カ月フォワードPER平均値(14倍)を10%上回る水準。同社株の過去のピーク水準は同22倍となっている。