16年の業績回復見通しも設備導入需要に不透明感、政府の補助金支払いがカギに

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00750 中国興業太陽能技術控股 (チャイナ・シンイエ・ソーラーテクノロジーズ)  3.08 HKD
(04/06現在)
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BOCIは中国興業太陽能技術の2016年の利益回復を予想しながらも、太陽光設備導入量の先行きに関しては不透明感が残ると指摘している。まず、16年に新規の設備導入が続くかどうかについては、電力供給の抑制や政府当局による補助金支払いの履行状況がカギになるとの見方。また、ソーラーファーム(大型の太陽光発電施設)資産の売却が実現するかが、17-18年の債務返済状況や負債比率を左右するとしている。このほか、15年上期には150MW相当の太陽光プロジェクトを完成させたために前年同期実績が高く、16年上期にこの数字を超えるのはかなり困難な情勢という。BOCIはこうした要因は現在株価にほぼ織り込まれたとしながらも、16年上期も設備需要の鈍化懸念が続くと指摘。同社株価の先行きに対する中立見通しを継続している。

同社経営陣は16年の太陽光プロジェクトの完成量が300MWに達する見通しを示したが(手元の認可済みプロジェクトは500MW超)、BOCIは土地使用認可問題で一部プロジェクトに遅れが出ると予想。16年通期の完成量が220MW程度にとどまるとみている。内訳はソーラーファームが200MW、電力消費地に隣接する小型設備「分散型」が20MW。また、16年の純利益については前年比33%増を見込み、EPC(設計、調達、建設)業務量の22%増が寄与する見通しを示した。

同社の保有プロジェクト規模は現在、306MW相当。16年にはほかに、広東省陽江市で50MW分の投資が見込まれる。16年には有利子負債の圧縮に向け、北部の保有プロジェクトを中心に300MW相当を売却する計画。BOCIは16年に100MW、17年に84MWの売却を見込み、純負債比率がそれぞれ50.5%、32.6%に低下すると予想。17年11月に到来するシニア債5億6000万元(表面利率7.875%)の償却という財務圧力を払拭できるとみている。

一方、カーテンウォール(建築構造上取り外し可能な壁)事業は16年1-3月期に14億元規模の新規受注を獲得し、予想を上回る旺盛な需要を伺わせた。BOCIは香港、マカオを含む海外市場の開拓が寄与するとみて、同事業の16年の売上高が前年比5%増の13億3900万元に上ると予想。17年、18年については13億元で横ばいを見込む。

BOCIはEPC業務量に関する想定値の引き下げを受け、16年、17年の予想純利益をそれぞれ7%、17%減額修正。新たに4億7300万元、4億5700万元に設定した。現在株価のバリュエーションが過去最低の水準にあり、同業銘柄を24%下回るとしながらも、設備導入量の持続可能性に関する不透明感を指摘。16年予想PER4倍をあてはめて目標株価を引き下げ(同業銘柄の目標平均値は約5.3倍)、中立見通しを据え置いた。政府による補助金支払いがこの先、ターンポイントとなる可能性を指摘しながらも、それ以前の段階では株価の本格回復は期待しにくいとしている。