風力発電機出荷と市場シェアが予想上振れ、発電所事業も17年から回復見通し

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02208 新疆金風科技 (シンジャン・ゴールドウインド)  11.30 HKD
(03/31現在)
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新疆金風科技の2015年の風力発電機出荷量および市場シェアはBOCIの予想を上回ったが、風力発電所ビジネスは設備稼働時間が152時間減少し、予想を下回る結果となった。ただ、BOCIは同社株価が20%を超えて下落したことで、風力供給削減に関する市場の懸念はほぼ織り込まれたとの見方。さらに非供給削減エリアにおける向こう2年間の力強い風力発電需要を見込み、新規設備導入量の急減に関する市場の警戒感を過剰反応としている。また、供給削減エリアに関しても、UHV(超超高電圧)送電網の稼働を受けて風力発電需要が続くと予想。目標株価を引き下げながらも、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続した。

中国では2012年、国家エネルギー局が送電インフラの不足している北部3地域を対象に風力設備の新設を禁止し、その結果、新規導入量が急減したが、BOCIは「今回は状況が異なり、12年当時の再現は予想しにくい」と指摘している。その理由は主に、電力各社が非供給削減エリアで豊富な風力資源や設備を保有していること。また、供給削減エリアにしても、UHV送電網が敷設されたエリアは新規導入制限の対象外であり、一定の需要が見込めるという。ちなみに国家エネルギー局が決定した非供給削減エリアでの認可対象枠は16年に30GW。BOCIは中国国内の風力新規導入量が、16年、17年に25GW、26GWの記録的水準に達するとの見方だ。18年には電力買い取り料金の引き下げが見込まれるとし、17年の駆け込み導入を予想している。

BOCIは風力発電機需要の堅調見通しを背景に、同社の16年、17年の出荷量についてそれぞれ前年比ほぼ横ばいの7GW、同7%増の7.5GWを見込んでいる。市場シェア予想は29%。顧客に便宜を図るための風力発電ファンドの創設計画に触れ、同社がさらにシェアを伸ばすとみている。また、風力発電機の販売収入については16年、17年に前年比3.1%増、9.8%増を予想。粗利益率が横ばいの25%で推移するとの前提の下、発電機製造ビジネスの純利益貢献が16年、17年に前年比19.2%増の24億700万元、同11.5%増の26億8400万元に達する見通しを示した。

一方、風力発電所の開発運営事業はさえず、15年の設備稼働時間数は前年を152時間下回る2030時間。部門利益は前年の4億5600万元から2億8000万元に落ち込んだ。ただ、BOCIは非供給削減エリアでの設備導入を理由に、17年には稼働時間数が回復するとの見方だ。16年、17年の稼働時間数を2015時間、2063時間と予測し、部門利益がそれぞれ3億4900万元、5億4200万元に上るとみている。

BOCIは16-17年の予想純利益を2-4.5%減額修正し、34億5400万元、39億5900万元に設定。SOTP方式に基づき目標株価を9%引き下げる一方、株価の先行きに対する強気見通しを据え置いた。目標株価は16年予想PER10.5倍、予想PBR1.9倍の水準。