15年10-12月期決算が予想上振れ、ゲームと広告が成長エンジンに

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00700 騰訊控股 (テンセント・ホールディングス)  152.30 HKD
(03/18現在)
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テンセントの2015年10-12月期の売上高は前年同期比45.1%増、前期比14.5%増の304億元に達し、市場コンセンサス予想から10%上振れた。同期の純利益(非GAAP)は前年同期比33.2%増、前期比8.1%増の89億5000万元と、やはりコンセンサス予想を7%上回る水準だった。供給源の多様化を背景とするモバイルゲームビジネスの成長は16年も続く見通し。また、広告形態の多様化や広告主の増加、技術的な進化が、今後の広告収入の伸びを支えるとみられ、BOCIは同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

各種ジャンルの新たなモバイルゲームが15年夏以降、力強いパフォーマンスを見せたことで、10-12月期のモバイルゲーム収入は前期比33%増の71億元を記録した。また、広告収入は前期比22%増の29億元。ただ、純利益率は引き続き低下傾向を示し、前期を1.7ポイント下回った。

BOCIは16年のモバイルゲーム収入について前年比46%の伸びを予想している。ユーザー忠誠度の高まりに加え、最近投入したばかりのゲームや今後投入する予定の5-10タイトルの寄与が見込まれることなどが理由。一方、主要広告主によるソーシャル広告への適応や広告形態の多様化を背景に、広告収入も好調を維持する見込み。中国経済が減速する中、同社のeCPM(1000インプレッション当たりの広告収入)やセルスルー・レート(クリック数に対する成果の割合、販売率)は上向いており、こうした状況がブランド広告ビジネスの拡大を後押しする可能性が高い。BOCIは16年の広告収入について、前年比73%の伸びを見込んでいる。

ライセンス料やコンテンツコストなどの上昇を受け、16年、17年も利幅低下圧力が続く見込み。一方、オンライン決済サービスは中長期的に赤字が続く可能性が高い。ただ、同サービスはユーザーをその他ネット金融サービスに導くための入り口に当たるサービスであり、BOCIは同社の長期的な収入増に寄与するとみている。

BOCIによると、レーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスク要因は、予想外のモバイルゲーム収入のスローダウン。ほかに収入シェアリング、コンテンツ取得コスト、マーケティング費用、投資損失などが予想を超える可能性を挙げている。

BOCIは16年、17年の予想売上高を5.3%、9.0%増額修正し、それぞれ1337億元、1692億元に設定した。モバイルゲームおよびその他部門の高成長が期待できるという。また、16年、17年の予想純利益(非GAAP)についても3.0%、8.1%増額修正し、410億元、527億元に設定。目標株価(16年予想PER33.0倍、15-18年の予想年平均EPS伸び率24.6%に基づくPEGレシオで1.35倍)を維持し、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。