ウエア好調もシューズが苦戦、直近四半期の既存店売り上げが16%減

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01880 百麗国際控股有限公司 (ベル・インターナショナル)  5.30 HKD
(03/11現在)
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百麗国際のシューズ部門の既存店売上高(SSS)は、2016年度第4四半期(15年12月-16年2月)に前年同期比16.5%減と、前の期の同10.4%から一段と悪化した。BOCIは中国国内の消費伸び悩みを受け、続く17年度もシューズ部門の低迷が続くとの見方だ。スポーツウエアおよびアパレルのSSSは16年度第4四半期に同6.2%増(前期は同6.0%増)と堅調だったが、BOCIはシューズの売上高、利益率予想の引き下げに伴い、16年度、17年度、18年度の利益見通しをそれぞれ12%、25%、25%減額修正した。ただ、市場コンセンサスを下回る自社予想に基づいて、同社の現在株価がPER9倍と、ほぼ過去最低水準にあると指摘。7%の配当利回りや8%のFCF(フリーキャッシュフロー)イールドに言及した上で、マイナス材料はほぼ織り込まれたとみている。

同社が主力とするシューズのSSSは過去2年間にわたって下向きに推移している。BOCIによれば、百貨店の来客数が減少する中、同社がネット通販やショッピングモールなど、新たな販路の開拓にさほど積極的でないことが影響しているという。また、中国の消費アップグレードが予想以上の速さで進行していることも一因。多くの消費財メーカーはこうした新たなトレンドに対応しきれていないのが現状という。ただ、BOCIは厳しい事業環境を指摘しながらも、在庫管理、マルチブランド戦略、コスト管理など各方面で、同社の手腕が際立っていると高く評価。他社が追いつくのはそう容易ではないとし、圧倒的大手としての優位が続くとみている。

シューズ部門の17年度(16年3月-17年2月)のSSSについて、BOCIは前年比10%減を予想。今のところ売り上げ回復のめどは立たないとして、16年度の同11%に続く2桁減を見込む。利益率に関しても、16年度に18.5%、17年度に17.0%を予想。15年度の22.0%から低下するとしている。

一方、ナイキとアディダスの売れ行き好調で、スポーツウエア部門の先行きは引き続き明るい。実際、中国におけるアディダスの売上高は、16年度年第4四半期に前年同期比15.6%の自律成長を遂げた。ウエア部門の利益実績は16年度に高水準に達したとみられるが、BOCIは17年度にさらに前年比10%台半ばから後半の増益を見込む。

BOCIによると、レーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスク要因は、シューズ部門のSSSの予想以上の落ち込みや、スポーツウエア部門減速の可能性など。

BOCIはSOTP(サム・オブ・ザ・パーツ)分析に基づき、スポーツウエア部門の価値を17年度予想PER15倍に設定(同部門の利益構成比は44%、EPSは0.208元)。一方、シューズに関しては同PER8倍とした(利益構成比は56%、EPSは0.266元)。毎年30億元を超えるフリーキャッシュフローを理由に、配当性向が60%の水準を維持する見通しを示している。