新製品の投入などで収益見通し

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00973 L'Occitane International S.A. (ロクシタン・インターナショナル)  14.58 HKD
(02/15現在)
 株価
 企業情報
 チャート

BOCIは相次ぐ新製品の投入やナチュラル製品の需要増を理由に、ロクシタンの収益見通しを楽観している。人民元安の影響で観光客消費は勢いを欠くが、地元消費の貢献でオンライン販売が好調。既存店売り上げ伸び率(SSSG)が鈍る中、マーケティング費の増大が利益率回復の足かせだが、BOCIはこの先2017年度下期(16年10月-17年3月)ごろに、同社株へのより良い投資機会がめぐってくるとみている。この時期の利益率の安定化への期待や、力強いネット販売の伸び、新製品発売予定などが理由という。

オンライン販売の伸びを受け、同社は米国などの先進国市場でデジタルマーケティングをスタートさせた。消費者とのつながりを深め、購買性向をより深く理解することが目的。一方、プレミアムブランド、ナチュラルブランドとしてのイメージを維持するため、16年度(16年3月期)以降、広告宣伝費の対売上比率をこれまでの10-11%から13%に引き上げる計画を示した。こうした状況から、BOCIは前年同期実績が低くなる17年度下期になって利益率が安定化すると予想。また、下期が需要期に当たることもプラス要因としている。同社の場合、年度下期の利益が通期利益の約7割を占めるという。

16年度第1-第3四半期(15年4-12月)には直接オンライン販売の売上高が前年同期比17.7%増。小売部門の売上全体に占める割合は年度上期(4-9月)の9.4%から10.0%に上向いた。オンライン販売のシェアが2桁に上るのは日本、フランス、中国などで、うち14年12月にオンラインプラットフォームを立ち上げた中国では全体と同じ10%だった。経営陣によれば、ネット販売は新製品への反応や顧客の購買性向を知るための有効なプラットフォーム。20年までに小売部門の売上全体に占めるオンラインの割合を20%に引き上げるのが目標という。

一方、製品別では、高利益率かつ顧客ロイヤリティーの強いフェイシャルケアが主力カテゴリーの一つとなっており、16年度上期には売上構成比が32%に達した(前年同期は27%)。最近では「ディヴァイン」クリームや美白ライン「レーヌブランシュ」などを相次いで投入している。

地域別に見ると、日本市場(売上構成比15%)は1月に再び成長を回復したが、香港(同11%)はインバウンド旅行市場の低迷でマイナス成長が続いている状況。中国本土(同10%)は百貨店での売り上げが伸び悩む半面、ネット販売が好調。その他エリアでは、韓国、ドイツなどの市場が相対的に速いペースで拡大している。

BOCIは17年3月期の予想値をあてはめる形で目標株価を引き上げ(国際同業銘柄並みの1年フォワードPER23倍を適用)、同社株価の先行きに対して中立見通しを継続した。同社の潜在リスク要因としては、不利な為替相場の変動や運営コスト増、コアブランド以外の不振などを指摘している。