最大取引先ゴープロの業績悪化が痛手、イメージング製品の成長や顧客多様化に期待

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03882 天彩控股有限公司 (スカイ・ライト・ホールディングス)  1.74 HKD
(01/14現在)
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主要取引先の米ゴープロ(GoPro:アクションカメラ大手)はこのほど、2015年10-12月期の売上高が自社の事前予想を下回り、前年同期比31%の減収となる見通しを発表した。ゴープロは天彩控股の売上高の66%に寄与している最大の取引先であり、その製品販売状況の悪化は天彩控股にとって痛手。BOCIは天彩控股の15-17年のアクションカメラ予想売上高をそれぞれ1%、40%、61%減額修正し、ホームイメージング、デジタルイメージング部門に関しては従来予想を据え置いた。これに伴い目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

ゴープロの最新ガイダンスによると、10-12月期の売上高は4億3500万米ドルと、事前に示した予想レンジ(5億-5億5000万米ドル)の中位数を17%下回る見通しとなった。前年同期比では31%減収、前期比では9%増収となる。BOCIによれば、アクションカメラ製品の多様化による競争激化や買い換えサイクルの欠如、ゴープロHero5の発売の遅れ、さらにソフト編集機能などの使い勝手の悪さなどが売れ行き悪化の原因とみられる。販売低迷を受け、ゴープロによるアクションカメラ発注量は規定レベルを下回り、同社とゴープロとの独占供給契約は打ち切られる見込み。BOCIはこれが結果的に取引先の多様化につながるとみている。ただ、実際にどの程度顧客開拓が進み、ゴープロ向けの減収を補えるかは、家電市況と同社の執行力にかかっているという。

BOCIによると、15年のゴープロ向けのアクションカメラ出荷台数は15年に262万台に達する見込み。ただ、販売状況がさえない中で、16年、17年には前年比37%、30%減少し(両年とも4%増の従来予想を下方修正)、165万台、115万台にとどまるとみられる。これに伴い、16年のアクションカメラおよびアクセサリーの売上高は前年比38%減の12億HKドルとなる見通しという。

一方、BOCIはホームイメージング部門に関して、16年に前年比40%の増収を見込んでいる。米ネットギアや新規顧客向けの新たなIPカメラモデルの出荷が寄与する見込み。また、デジタルイメージング部門の売上高は車載カムコーダーや警察用カメラなどの生産開始を受け、前年比60%増の3億400万HKドルに上る見通しという。ただ、ゴープロ向けの売上構成比は15年下期も66%と、引き続き6割を上回る見込み。ほかにホームイメージング、デジタルイメージングがそれぞれ25%、7%になるとみている。

BOCIは15-17年の予想純利益をそれぞれ1%、37%、45%下方修正。16年予想PER10倍をあてはめて目標株価を引き下げた。ただ、現在株価は16年予想PER8倍の水準にあるとして、株価の先行きに対しては強気見通しを継続している。一方、BOCIはこの先のレーティング見直しにつながる可能性のある同社の潜在リスクとして、ゴープロ向けの売上高が予想をさらに下押しする可能性を挙げている。