株主割当増資発表で株価調整圧力、補助金制度などに不透明感

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03800 保利協キン能源控股有限公司 (GCLポリー・エナジー)  1.33 HKD
(12/16現在)
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保利協キン能源は15日大引け後、株主割当増資(ライツイシュー)計画を発表した。割当価格は1株当たり1.12HKドルで(現在株価比で15.8%のディスカウント水準)、総額34億7000万HKドルを調達する予定。これで発行済み株式総数は16.7%拡大する。調達資金の一部は傘下の協キン新能源(00451:GCLNE)が行う株主割当増資の引き受けに充当する方針。BOCIは今回のライツイシューが保利協キン能源の株価調整圧力になると予想し、その理由として、◇市場では補助金制度に絡み、太陽光発電プロジェクトの先行きに対して慎重見通しが高まっている、◇同社の投資家はEPS希薄化か、現金での株式引き受けかの二択を迫られ、結果的に近く実施する予定の特別配当の魅力が後退する――などの点を挙げた。BOCIはEPS希薄化を考慮した上で、2016年予想PBR(株価純資産倍率)1.0倍をあてはめて目標株価を下方修正。株価の先行きに対する従来の強気見通しを中立的に引き下げた。ただ、同社が引き続きポリシリコン(多結晶シリコン)業界で生き残り、マーケットリーダーであり続けるとみている。

保利協キン能源および傘下のGCLNEによる増資は中国の太陽光プロジェクトの進展につながる見込み。保利協キン能源は今回のライツイシューで34億7000万HKドルを調達するとみられ、うち14億5800万-21億6100万HKドル(GCLNE株主の引き受け状況により変化する)をGCLNEの太陽光プロジェクトに振り向ける計画。残りは債務返済などに回す予定という。

BOCIは保利協キン能源のライツイシューに関して、以下の3点に着目している。まず、筆頭株主である朱共山会長の持ち株比率が、現在の32.47%から最大43.73%(その他投資家が全く引き受けなかったと仮定した場合)に上向くこと。2点目は負債比率の低下が見込まれる点で、BOCIは15年、16年の予想純負債比率をそれぞれ95%(修正前124%)、108%(同138%)に引き下げた。また、3点目として、同社が1.3GW相当の太陽光プロジェクト建設に十分な資金を確保できる点を挙げている(持ち株比率20%で、1W当たりコストを7元と想定)。 一方、中国の太陽光発電業界の先行きには依然として不透明感が残る。BOCIは電力価格の引き下げ幅が予想を上回る可能性や補助金関連の不透明感を指摘。現在の低調な市場環境にも言及し、同社株の値動きに関してやや慎重見通しを示している。 レーティング見直しにつながる可能性がある同社の潜在リスクとして、BOCIは引き続き補助金支払いの遅れを挙げている。業界全体にとっても、これが最大のリスク要因になるという。ただ、BOCIはマーケットリーダーとしての同社を前向きに評価。この点を考慮し、16年予想PBR1.0倍に基づいて新たな目標株価を設定したとしている。