安邦保険による株式取得で不透明感、ファンダメンタルズは引き続き良好

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03377 遠洋地産 (シノ・オーシャン・ランド・ホールディングス)  4.87 HKD
(12/14現在)
 株価
 企業情報
 チャート

安邦保険集団がこのほど、南豊集団から遠洋地産の株式20.5%を取得し、中国人寿保険(02628)に次ぐ2位株主に浮上したことが明らかになった。BOCIはこうした持ち株構成の変化が遠洋地産の経営および戦略面の不透明感につながるとしながらも、優良開発用地の保有という点で不動産セクターの上位にある点を高く評価し、同社の堅調なファンダメンタルズに変化はないとの見方。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

遠洋地産は住宅市況が低迷した2014年に積極的に開発用地の取得に動いた経緯があり、 1線都市(主に4大都市)への投資額が9割超の水準にある。新規プロジェクトの大半が16年の分譲開始を予定しており、BOCIは同年の成約額が約20%の力強い伸びを示すと予想。住宅不況下で取得した土地のコストの低さから、粗利益率の改善にも期待できるとしている。

同社は深センで、敷地面積にして計100万平米、延べ床面積で計300万平米の再開発プロジェクトを進めている。こうしたプロジェクトは収益成長や利幅の改善に寄与する見込み。16年の分譲開始が予想される龍崗地区の盛平プロジェクトは、分譲対象資源が約15億元に上り、粗利益率は35%の高水準に達する見通しという。 BOCIはレーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスクとして、経営陣と新たな有力株主との関係を指摘。再編後の拡大戦略を取り巻く不透明感を挙げた。一方、同社のファンダメンタルズを引き続き前向きに評価し、1株当たり予想NAV(純資産価値)を12.19HKドルに維持。目標株価を同NAVに対して45%のディスカウント水準に据え置いた。現在株価が同NAVを60%下回ることに触れ(16年予想PBRでは0.6倍)、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。