ガス資産関連の取引3件を発表、15年決算で売却益計上へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00857 中国石油天然気 (ペトロチャイナ)  5.73 HKD
(11/26現在)
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ペトロチャイナはこのほど、資産再編関連の取引3件を同時に発表した。うち埋蔵天然ガス資産と中亜天然気管道(Central Asia Natural Gas Pipelines Company)の一部権益の譲渡は、一回性の売却益計上につながる見込み。BOCIはこの点を織り込む形で、2015年の予想純利益を6%増額修正した。また、この種の再編関連取引が今後さらに続くとみて、短期的な支援材料となる可能性を指摘。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する中立見通しを継続した。

ペトロチャイナが発表した取引3件のうち、まず一つ目はガス田6カ所の余剰埋蔵量を親会社・中国石油天然気集団(CNPC)に譲渡するもので、売却価格は総額35億元。対象となる余剰ガス資産はいずれもCNPCのガス貯蔵施設の近隣に位置し、同施設のクッションガス(貯蔵ガスの取り出し圧力を維持するために残されるガス)として使用される運びという。BOCIによると、35億元の売却価格はコスト差し引き後の金額であり、これがそのまま、15年の税引き前利益に上乗せされることになる。

もう一つの取引では、全額出資子会社の昆侖ガスを、傘下の上場企業である昆侖能源(00135)に注入する。この取引も少額の売却益を生むが、連結決算においては反映されない。

3件目の取引では、ペトロチャイナとCNPCの折半出資会社CNPC E&Dが、全額出資子会社である中亜天然気管道の権益50%を、国新国際投資(China Reform Holding International)に150億-155億元で売却する。国新国際投資は国務院・国有資産監督管理委員会の直属企業で、両者はすでに合意済み。これにより、ペトロチャイナによる中亜天然気管道の持ち分は50%から25%に低下し、15年通期決算で相応の売却益を計上する見通しとなった。

BOCIによると、レーティング見直しにつながりかねないペトロチャイナの潜在リスク要因は原油相場の急落の可能性や、今期決算で石油・ガス資産関連の多額の減損損失を計上する可能性。一方、引き上げ後の新たな目標株価は、SOTPベースのNAV(予想純資産価値)に対して19%のディスカウント水準(過去5年平均値)で、かつ国際石油メジャーの15年平均予想PER(18.0倍から18.2倍に上昇)に並ぶ水準となる。