ガス価格値下げが追い風、昆侖ガス買収も利益押し上げ要因に

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00135 昆侖能源有限公司 (クンルン・エナジー)  6.72 HKD
(11/26現在)
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中国では11月20日付で、非住宅用の天然ガス価格の引き下げが行われたが、昆侖能源にとってはこれがLNGビジネスのコスト軽減につながる見込み。また、親会社ペトロチャイナ(00857)からの昆侖ガスの買収も株価の支援材料となる可能性が高い。ただ、一方で、陝西-北京間パイプラインの輸送料金値下げ観測が当面の懸念材料。BOCIはガス価格値下げや人民元為替相場の想定値見直しといった各種要因を反映させる形で、2015年の予想純利益を13%下方修正し、16年、17年についてはそれぞれ25%、13%増額修正した。同社株価の先行きに対しては中立見通しを据え置いている。

同社はLNG価格をディーゼル油比でおよそ25%のディスカウント水準(同等のエネルギー消費量ベース)に設定しなければならず、原油安、ガス価格の高止まりという逆風の下、実質的に顧客向けの補助金負担を強いられていた。ただ、待望の値下げが実施されたことで(非住宅用ゲート価格を対象に1立方メートル当たり0.7元値下げ)、LNG部門のコストが低下する運び。BOCIは「LNG事業が最悪期を脱した」としている。

ペトロチャイナはこのほど、昆侖能源と昆侖ガス(ペトロチャイナの100%子会社)との統合を発表した。昆侖能源としては、待望の買収の実現を意味し、今後の収益成長と利益の質的改善が期待できる状況となった。詳細は今のところ不明だが、BOCIは昆侖ガスの売り上げ規模について、新奥能源(02688)並みを予想。利益に関しては新奥能源(14年純利益30億元)を下回るとみている。

一方、昆侖能源にとっては陝西-北京間パイプラインの輸送料値下げが懸念材料となっている。半期に1度の価格見直し時期が迫っていることに加え、同パイプラインの投資収益率が承認済みIRR(内部収益率)の12%を上回っていることなどが値下げ観測の理由。BOCIの分析では、同料金が1%引き下げられるごとに、16年利益見通しの2%の下方修正につながる。現在のところ、値下げの可能性は利益モデルに織り込まれていないという。

BOCIはレーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因として、原油相場の急落や、陝西-北京間パイプラインの輸送料が予想以上に大幅に引き下げられる可能性を挙げた。一方、15年の利益見通しの下方修正に伴い、目標株価を小幅に引き下げ(新たな目標株価は15年予想PER1.0倍)、株価の先行きに対して中立見通しを継続している。