総額146億元の新規受注を発表、高速鉄道プロジェクトの認可加速が追い風

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01766 中国中車股フン有限公司 (チャイナ・シーアールアールシー)  9.59 HKD
(11/17現在)
 株価
 企業情報
 チャート

中国中車はこのほど、新たに総額146億元規模の受注を獲得したことを明らかにした(BOCIの2015年予想売上高の14.6%に相当)。うち75%に当たる約110億元は機関車。15年7-9月期には機関車受注の遅れが利益下振れを招いたが、10-12月期にはその引き渡しが利益押し上げ要因となる可能性が高まった。BOCIは15年通期の予想増益率を前年比12%に据え置いている。一方、国家発展改革委員会(NDRC)はこのほど、安徽省合肥-安慶の高速鉄道建設プロジェクト(投資額334億元、総延長163km、最高速度時速350km)を認可したが、その他の同種プロジェクトに関する認可申請も相次いでいるという。

同社が今回発表した新規受注は、金額、製品の両面から意義が大きい。7-9月期決算は機関車受注の遅れで前年同期比8.1%の減益となったが、BOCIは同社がすでに機関車製造に向けた準備を進めてきた点を指摘。その大半が10-12月の引き渡しとなる見通しを示している。

NDRCが新たに認可した合肥-安慶高速鉄道プロジェクトに関しては、中国鉄路総公司(CRC)が20%、地方政府が残りを拠出する運びとなっており、国家開発銀行が融資を行う。高速鉄道の開通は地元の景気改善や不動産価値の上昇に寄与することから、地方政府は同建設プロジェクトの申請に積極的。当初計画以上の高速鉄道プロジェクトがこの先進む見通しとなった。NDRC側も景気刺激策の一環として、プロジェクト認可を加速させている。

鉄道車両セクターのビジネスサイクルは建設サイクルより長く、業務実績の積み上げが収益性改善に向けた車両の導入加速につながる。BOCIは新規プロジェクトからの受注だけでなく、鉄道投資のより大きな部分がこの先、車両投資に振り向けられる可能性を指摘している。

BOCIは15年通期、16年通期について、それぞれ前年比12%、5%の増益を予想している。15年に関しては、この先の機関車引き渡しが利益予想の達成に寄与するとの見方。同社株価は現在、16年予想PER16.8倍の水準で取引されているが、BOCIは目標株価を同20倍の水準に据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。新規受注に加え、「第13次5カ年計画」(16-20年)の履行、さらに対外発展戦略「一帯一路」などが同社株価の支援材料になるとみている。