再編費用が響いて15年7-9月期に赤字転落、モバイル部門は半年以内に黒字化へ

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00992 聯想集団(レノボ・グループ)  7.70 HKD
(11/13現在)
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レノボ・グループの16年度第2四半期(15年7-9月期)決算は再編費用5億9900万米ドルおよびスマートフォン在庫評価損3億2400万米ドルの計上が響き、8億4200万米ドルの税引き前赤字に転落した。純損益は7億1400万米ドルの赤字(1株当たり損失6.43米セント)。粗利益は前年同期比8%増の16億米ドルで、粗利益率は13%。営業損失は7億8400万米ドルだった。BOCIによると、一回性損失や非現金M&A関連費用などを除外した場合の税引き前利益は、前期比16%増の1億6600万米ドル。同社経営陣は引き続き、◇利幅を高水準に保ったまま、PCの世界シェアを長期的に30%に引き上げる、◇SyStemX買収から1年以内に法人ビジネス部門の売上高を50億米ドルに拡大させる、◇携帯端末事業を今後1-2四半期以内に黒字化する――などの目標の達成に自信を示しているという。BOCIは17年度予想PER12倍をあてはめて目標株価を小幅に引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

主要3部門の7-9月期業績を見ると、まず「PCグループ」は売上高が81億米ドル、税引き前利益が前年同期比17%減の4億600万米ドル。為替相場の変動を受けたEMEA(欧州・中東・アフリカ)およびブラジル市場での苦戦が響いた。ただ、同期のPC出荷は1500万台を数え、伸び率では世界PC市場全体(前年同期比11.1%減)を6.6ポイントの幅でアウトパフォーム。その結果、10期連続でベンダー別首位を維持しただけでなく、世界シェアが過去最高の21.2%に達した。

「モバイルビジネスグループ」部門の売上高は、買収したモトローラ・モビリティーの売り上げ(14億米ドル)が加わり、同104%増の27億米ドルを記録した。税引き前損益は2億1700万米ドルの赤字だったが、旧式機種の在庫処理の実施や製品構成の優良化、競争力のある新製品の投入で、向こう2四半期以内の黒字化が実現する見通しとなった。7-9月期の携帯端末販売台数は同11%増の1880万台。新興国を中心に売れ行きを伸ばしことで、出荷全体に占める海外市場の割合は4-9月期に70%まで上昇した。

このほか、「ThinkServer」「SyStemX」のブランド名でサーバー、ストレージ、ソフト、サービスなど各業務を手掛ける「法人ビジネスグループ」部門の売上高は、SyStemX買収効果で前年同期比5.5倍増の12億米ドル(うちSyStemXが9億米ドル)。比較可能ベースでも2%の増収となり、SyStemXの買収以来(4期目)、初めてプラス成長を確保した。また、非現金M&A費用3300万米ドルを計上したにもかかわらず、部門営業利益もプラスに転じた。

一方、同社は中国の3大ネット企業、アリババ、テンセント(騰訊:00700)、百度(バイドゥ)から、それぞれデータセンター・サーバー契約を獲得。これで法人ビジネス部門の急成長が期待できる状況となり、BOCIは楽観見通しの理由の一つに挙げている。