足元の受注好調で黒字転換に期待、店舗数純増数も通期目標達成へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02331 李寧 (リネイ)  3.93 HKD
(10/16現在)
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2016年第2四半期向け商談会における李寧の受注額は前年同期比10%台後半の伸びを示し、前期向けの10%台半ばを上回るペースとなった。スポーツウエアが20%前半の伸びを示し、シューズも10%台半ばの伸びを確保した。既存店売り上げ伸び率(SSSG)は15年第3四半期に1桁台半ばで、これは前期の2桁台前半からやや減速。一方、ネット通販売り上げは第3四半期に前年同期比倍増以上を記録した。BOCIは直近の業務統計を前向きに評価し、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

同業銘柄の16年第2四半期向け受注は総じて10%台前半から中盤の伸びとなっており、李寧の足元の受注は他社を上回るペースを示している。ライフスタイル製品の好調が受注増の一因。同社は15年7月から、ライフスタイル製品をコンセプトとした別店舗の出店を初めており、これがウエア製品全般の受注増に寄与したとみられる。同社は15年に、ライフスタイルラインの新規店舗およそ12店を出店する計画。16年には出店規模を200-300店舗に加速させる方針という。

15年第3四半期には「李寧」ブランド店の純増数が208店舗を数え、前期の153を上回った。主にフランチャイズ店161店舗の純増が寄与した格好(前期は29店舗)。15年通期では純増数500店舗との目標を達成する見通しとなった。BOCIは店舗純増数の伸びから、同社の採算性改善やフランチャイズ加盟店による信頼回復がうかがえると指摘している。

SSSGは第3四半期に前期を下回る1桁台半ばとなったが、BOCIは国内全体の消費が勢いを欠く現状を考慮し、今後もほぼ1桁台半ばの伸びが続くと予想。実際に多くの小売事業者のSSSGが第3四半期に減速したことに言及した。ただ、店舗網拡大ペースの加速がSSSGの減速をカバーするとみて、同社の在庫回転率に関して安定推移を見込んでいる。

BOCIは在庫圧力の軽減や消費者の健康志向の高まりを理由に、中国のスポーツウエアセクターに対して引き続き楽観的。米ナイキはこのほど、中華圏(本土・香港・台湾)での向こう5年間の売上成長目標を10%台半ばに設定し、2020年度には65億米ドルを目指すとした。BOCIは李寧の15年通期決算に関して黒字転換を予想。その理由として販路の再編や製品ミックスの高付加価値化を指摘している。

BOCIは最新の業務統計の改善を受け、同社株価の先行きに対する強気見通しを継続。この先のレーティング見直しにつながる可能性のある潜在リスクとしては、在庫処理の遅れや予想以上のコスト高の可能性などを挙げている。