9月出荷が過去最高を記録、携帯端末向けレンズが成長エンジンに

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02382 舜宇光学科技(集団)有限公司(サニー・オプティカル・テクノロジー)  16.52 HKD
(10/12現在)
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舜宇光学科技の9月の出荷統計は好調で、携帯端末向けレンズセット(HLS)、携帯端末向けカメラモジュール(HCM)、車載用レンズセット(VLS)がいずれも月別の過去最高を記録した。うちHLSは1-9月の出荷個数が前年同期比200%増を記録。また、HLS技術の向上に伴い、ハイエンドHLS市場における同社シェアも上向きに推移している。スマートフォンメーカーが単一のHLSサプライヤーへの依存度を軽減させ、調達先の多様化を進める傾向にあることなどが背景。BOCIは目標株価を引き上げた上で、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

9月の統計を見ると、HCMの出荷数は前年同期比35%増、前月比12%増の2200個。1-9月では前年同期比22%増加し、経営陣が示した通期予想(前年比20-30%)のペースで推移した。一方、HLSの9月の出荷は前年同月比109%増、前月比7%増の3280万個。1-9月では前年同期比200%の急増を記録した。また、VLSは9月に前年同月比81%増、前月比19%増となる170万個。1-9月では前年同期比48%増と、通期見通し(前年比40%増)を上回るペースとなった。

高解像度HLSの技術の向上に伴って13MPタイプの受注が増加し、高解像度HLS市場における同社のシェアが上向いている。これまで中国ではLargan Precision(大立光電)が圧倒的な最大手で、ほかに日本のカンタツが一定のシェアを握っていたが、この2社はいずれも米アップルのサプライヤー。供給量がひっ迫した際にはアップル向けの納品が優先されるため、他の端末メーカーとしては他のハイエンドHLSサプライヤーを確保する必要が生じているという。BOCIは端末メーカーによるHLS調達先の多様化が舜宇光学科技のビジネスチャンスにつながると予想。同社のシェアが今のところまだ低水準にあることに触れ、この先当面の高成長を見込んでいる。HLSの出荷増だけでなく、ハイエンドHLSの比重の拡大が利益率の向上にもつながる見通しという。

BOCIは9月までの出荷量の伸びやHLS部門の製品ミックスの高付加価値化を反映させる形で、HLS、VLSの予想出荷量およびHLSの予想利益率を上方修正。16年予想PER15倍(ヒストリカル平均値)をあてはめる形で目標株価を引き上げた。HLS、VLS業務が同社の長期成長を支えると予想。利益率が低下傾向にあるHCM業務に関しても一段の悪化余地は限定的とみて、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。