15年中間決算は43%増、通信キャリア向けネットワーク事業が好調持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00763 中興通訊 (ZTEコーポレーション)  13.82 HKD
(08/27現在)
 株価
 企業情報
 チャート

中興通訊の2015年6月中間決算は、売上高が前年同期比21.8%増の459億元、純利益が同43%増の16億元と、BOCIの予想通りの水準に達した。粗利益率は前年同期を0.6ポイント上回る30.1%。◇通信キャリア向けネットワーク設備事業の成長持続、◇スマートシティ、M-ICT(モバイル情報通信技術)といった新規事業の初期貢献、◇コスト比率の横ばい推移――などが好決算を支えた。BOCIは通信キャリアの第4世代(4G)設備投資が短期的な収益成長に寄与し、事業の多様化が長期成長を支えるとの見方。通信業界の再編に伴うリスクを反映させる形で目標株価(16年予想PER15倍)を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

15年上期決算を地域別に見ると、まず中国国内の売上高は前年同期比26.5%増の244億元で、売上構成比は53%強。4Gの国際規格「FDD-LTE」の事業免許発給を受け、通信キャリア各社がネットワーク投資を拡大したことが追い風となった。また、政府の「ブロードバンド中国」戦略に伴うブロードバンド・ネットワークの需要増も増収要因。クラウドコンピューティング、ビッグデータ・アプリケーション、スマートシティ、ハイエンド型ルーターなどの需要も引き続き拡大したという。一方、海外事業の売上高は16.8%増の215億元。人口の多い国に焦点を当てた市場開拓戦略や海外有力キャリアとの包括提携を背景に堅調を維持した。

製品別では、キャリア向けネットワーク設備事業が前年同期比30.6%増収と好調だったが、国内向けワイヤレスシステムの利幅低下により、部門粗利益率は34.7%と、前年同期の35.3%を下回った。一方、携帯端末事業の売上高は前年同期並みで、粗利益率も横ばいの15.6%。通信ソフトシステム・サービス部門は36.1%増収となり、粗利益率は31.7%へ1ポイント低下した。

BOCIによると、通信キャリアによる4Gインフラの整備を受け、ネットワーク設備事業は下期も好調を維持する見込み。中でもチャイナ・テレコム(00728)のFDDプロジェクト3期が寄与する見通しという。一方、携帯端末事業では、同社はハイエンド市場、海外市場に重点をシフトする方針であり、国内事業については再編を進めている。15年上期の携帯デバイス出荷台数は4600万台で、うちスマートフォンは2600万台。通信キャリア経由の出荷割合が低下する半面、オープン型販路の割合が42%に上向いた(売上構成比は46%)。また、海外出荷は好調で、米国ではスマホブランドの4位にランクイン。プリペイドに限ると2位だった。

このほか、政府・企業向けITビジネス部門では、40カ国以上でスマートシティ・プロジェクトが進行中。スマートシティ2.0モデルを通じたサービス拡充を目指す。うち電気バス向けワイヤレス課金システムは、鄭州、襄陽、成都など各市で運用されている。