15年4-6月期に大幅減益、再編費用計上で7-9月期に赤字見通し

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00992 聯想集団 (レノボ・グループ)   7.70 HKD
(08/13現在)
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レノボ・グループの2016年度第1四半期決算(15年4-6月期)決算はBOCIの予想を下回る水準にとどまった。買収した2事業(IBMのX86サーバー事業と端末のモトローラ・モビリティー)が新たに寄与したにもかかわらず、PC、スマートフォンの両部門が伸び悩み、同期売上高は前年同期比わずか3%増の107億米ドル。また、2事業買収に伴う営業経費の増大やブラジル/中南米の景気低迷、為替相場の不利な変動などで採算が悪化し、税引き前利益は前年同期比80%減の5200万米ドル、純利益は51%減の1億500万米ドルだった。同社は長期のコスト削減を睨んで再編を実施する計画であり、続く第2四半期(7-9月)には再編費用6億米ドルと在庫処理損3億米ドルを計上する見込み。これに伴う同期の赤字転落が予想されている。BOCIは当面厳しいビジネス環境が続くとみて目標株価を引き下げたが、株価の先行きに対しては強気見通しを据え置いている。

長期の採算性改善を目指した再編により、16年度下期に6億5000万米ドル規模、通期では13億5000万米ドル規模の経費削減が見込まれている。再編においては世界規模で非生産部門のスタッフ3200人を削減する計画。この数は非生産部門全体の約10%、同社全従業員数の約5%に当たる。7-9月期には再編費用約6億米ドル、スマートフォンの在庫処理損3億米ドルを計上する見通しだが、これには◇レノボとモトローラ両ブランドのシナジー効果向上を目指したMBG(モバイル・ビジネス・グループ)の再編、◇ターゲット層の優良化やコスト効率化、スピード化を目指したEBG(エンタープライズ・ビジネス・グループ)の再編――などが含まれるという。

4-6月期を部門別に見ると、PCは8%減収、MBGは33%増収で、EBG部門の売上高はX86買収効果で5.8倍に増加。期中のPC出荷は7%減少したものの、9四半期連続で世界のトップシェアを維持した。また、スマホ出荷は2%増で、世界シェアは4.7%だった。一方、地域別に見ると、中国の売上高は前年同期比16%減の32億米ドル(売上構成比約30%)。PC事業は堅調だったが、競争激化を受けたスマホ事業の低迷で営業利益率は4.8%に後退した。アジア太平洋ではモトローラブランドの不振で営業利益率が大きく悪化したが、レノボブランドのスマホ出荷は82%増を記録した。欧州・中東・アフリカではスマホ出荷が153%増加し、PCシェアも上昇。米州では2事業の買収効果で46%増収を確保したが、営業利益率は4ポイント大きく低下した。

BOCIは再編費用と在庫損の計上を見込み、7-9月期について7億8400万米ドルの税引き前赤字を予想。16年度通期(17年3月期)に関しても8100万米ドルの同赤字見通しを示した。また、これに伴い、17年度の予想税引き前利益を10億米ドルに減額修正。従来より低いPER12倍をあてはめ、目標株価を引き下げている。