15年4-6月期に既存店売り上げが減速、日本好調の一方で香港などが苦戦

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00973 L'Occitane International S.A. (ロクシタン・インターナショナル)  21.00 HKD
(07/22現在)
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ロクシタンの2016年度第1四半期(15年4-6月)の売上高は前年同期比17.5%増加した(自律成長率は同7.8%)。既存店売り上げ伸び率は前期の同5.1%から2.1%に減速したが、これは香港、米国など一部主要市場の消費委縮が日本市場の好調を打ち消したため。BOCIは日本市場の好調が続くとみる一方、香港に関しては観光市場の停滞を受けて当面苦戦が続くと予想。売り上げ伸び率の減速やマーケティング費の増大見通しを反映させる形で目標株価を引き下げた。ただ、同社株価の先行きについては強気見通しを継続している。

主要市場における4-6月の業績は以下の通り。◇日本:自律売り上げ成長率、既存店売上高(SSS)がそれぞれ前年同期比8%増、9%増。前年同期実績が高水準にあったにもかかわらず、全販路の貢献と力強い製品ラインを武器に好調を維持した。◇米国:自律売り上げ成長率、SSS伸び率ともにマイナス。ドル高を受けた旅行者数の低迷などが響いた。◇香港:本土からの旅行者の減少が痛手となり、自律売り上げ成長率、SSS伸び率ともに約6%減。◇中国本土:百貨店やショッピングモールの来客数の低迷でSSS伸び率が前期の13.2%から2.5%に急減速したが、ネット通販の高成長の持続などが寄与し、自律売り上げ伸び率は26%に達した。◇フランス:他ブランドとの提携や店舗の立地面の優位で、SSSは4.1%増と堅調。卸売チャネルなどの好調を受け、自律売り上げ成長率も12.4%に達した。

4-6月期の出荷高(セルイン)は前年同期比10.3%の自律成長を遂げたが、これは主に販売代理店向けや卸売業務、B2B業務の好調が背景。旅行者向け小売販売額は欧州や北米で好調だったが、韓国旅行のキャンセルや香港の低調で、アジア全体では一桁台半ばの落ち込みを示した。一方、販売店の小売売上高(セルアウト)は6.9%の自律成長率を確保した。ネット通販の同21.5%の伸びが寄与したためで、ネット通販の売り上げ構成比は8.7%に達したという。

経営陣は引き続き製品開発に力を入れており、フレグランスやキャンドルを含む新製品開発において、仏のパティシエ、ピエール・エルメと組む方針。また、アジアでの美白製品ラインの成功を受け、世界をターゲットとした新たなフェイシャルシリーズの開発を進めている。BOCIは売り上げ全体の27%を占めるフェイシャル製品がこの先、成長牽引役になるとみている。

BOCIは売り上げ伸び率の減速見通しなどから、予想PER27倍をあてはめ、目標株価を引き下げた。このPER設定は世界の同業銘柄と同水準。また、同社の潜在リスクとして、不利な方向への為替相場の変動や予想以上のコスト増、非中核ブランドの苦戦などを挙げている。