15年1-4月に5%減収、主力の粉ミルク部門が価格競争に直面

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01112 合生元国際控股有限公司(バイオスタイム・インターナショナル)  26.05 HKD
(06/05現在)
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大幅な値下げ販売が響き、合生元国際の2015年1-4月の売上高は市場予想およびBOCI予想から下振れた。経営陣によれば、値下げを通じた販促活動は7月の新製品投入に先立つ在庫処分が目的であり、15年下期に再び実施する可能性は低いという。ただ、BOCIは業界全体の競争激化やさえない利益見通しを受け、価格競争がある程度長期化するとの見方。同社株価の先行きに対して中立見通しを継続している。

1-4月の売上高は前年同期比5%減の14億元。市場予想は10%台半ばの伸び、BOCI予想は1桁台前半の伸びであり、同期の減収はネガティブサプライズとなった。純利益も前年同期比8%増の1億7600万元と、BOCIの通期予想(前年比14%増)を下回るペースにとどまった。品目別に見ると、主力の乳児用粉ミルクの売上高は4%減の12億元。ほかにプロバイオティックサプリの売上高が前年同期並みの1億2100万元。ベビーケア製品およびベビーフードはそれぞれ28%、39%の減収だった。

乳児用粉ミルクの販売量は1-4月に前年同期比3%増加しており、平均販売価格が同7%下落した可能性が示唆された。事実上の25%値下げとなる「3箱購入で1箱無料」キャンペーンなどが響いたもよう。ニールセンの調査によれば、15年第1四半期の同社シェアは6.3%と、1年前の5.8%から上向いたという。経営陣は下期について、値下げ販売が一段落するとの見方。また、1-4月の利益率の改善は前年同期に一時的に販売管理費が増大した反動であるとし、15年通期の販管費については前年並みを予想している。一方、同社はネット通販プラットフォーム「mama100」のスピンオフ(本土A株市場への上場)を計画中だが、BOCIはVIE(変動持分事業体)構造の見直しが必要になるとし、実現までにはある程度時間がかかるとの見通しを示している。

BOCIは乳児用粉ミルク業界全体で価格競争が続くとの見方だが、これはオンライン上での低価格製品、類似輸入製品などの氾濫が一因。さらに乳児用粉ミルクの購買期間が通常3年程度にとどまる中、ネットストアごとの平均アクティブメンバー数が減少している現状に触れ、今後も販促目的の値下げを迫られる可能性を指摘した。15年通期の利益率は前年実績の低さやユーロ安を背景に改善するとみられるが、その後は低下傾向に転じる見通しという。

BOCIは売り上げ見通しの下方修正に伴い、15-17年の予想純利益を2-4%減額修正した。15年の純利益に関しては前年比10%増、16-17年については前年比横ばいを見込んでいる。

一方、同社の潜在リスク要因は為替相場の変動、予想より早期の「mama100」スピンオフの実現、さらにM&Aの可能性など。BOCIは15年予想PER14 倍をあてはめて目標株価を引き下げ(同16倍から修正)、株価の先行きに対する中立見通しを継続した。