買収2件の影響で15年1-3月期に大幅減益、事業統合のシナジー効果に期待

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00992 聯想集団(レノボ・グループ)  13.50 HKD
(05/22現在)
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レノボ・グループの2015年度第4四半期(15年1-3月期)決算は、税引き前利益が前年同期比51.2%減の1億400万米ドルと、市場の予想通りの水準だった。米携帯電話メーカーのモトローラ・モビリティー、IBMの低価格サーバー事業「システムX」という2つの買収事業の赤字が響いた格好。この2部門の影響で粗利益率は改善したものの、営業利益率が低下した。経営陣は2部門の事業統合に関して楽観見通しを示しているが、BOCIはシナジー効果が表れるまでにはある程度時間がかかるとの見方だ。また、既存のスマホ、PC部門に関しては減速傾向を指摘し、16年度第1四半期(4-6月期)も苦戦する可能性を指摘した。ただ、最新リポートで目標株価を17年度予想PERで15倍相当に引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

1-3月期の売上高は前年同期比21%増の113億米ドル。モトローラ・モビリティーおよびシステムXの買収効果を背景に、粗利益率(15.7%)は2.4ポイント改善したが、営業利益率(1.1%)は1.3ポイント低下した。また、買収部門の赤字で税引き前利益は51%減。純利益は37%減の1億米ドル。現金外の買収関連費用を除外した場合、1-3月期の税引き前利益、純利益は1億9800万米ドル、1億9400万米ドルだった。

事業別に見ると、PC部門の1-3月期の売上高は72億米ドル、税引き前利益は前年同期比11%増の3億9100万米ドルに達した。同期の出荷台数は同2.7%増の1330万台と、引き続き市場全体をアウトパフォーム。世界シェアは19.5%となった。経営陣はこの先一段のシェア拡大や部門粗利益率の維持を見込むなど強気。世界PC市場については中小ベンダーの撤退を見込み、上位4社が大手としての座を固めるとみている。

スマホ関連部門の売上高は28億米ドル。世界シェアはベンダー別で世界3位(14年10-12月期)。買収したモトローラ・モビリティーが2四半期にわたって寄与したこともあり、15年3月通期の出荷台数は7600万台の高水準に達した。通期のスマホ出荷に占める中国の割合は59%。一方、海外出荷台数は前年比450%増の3100万台を記録した。「モトローラ」ブランドの貢献は中国を含めた全体で、1-3月に前年同期比23.6%増の780万台超。通期の売り上げ寄与は18億米ドル。1月には中国市場への再参入を果たしており、経営陣は買収完了から4-6四半期以内の黒字化を予想している。

地域別では、中国での売上高は1-3月期に前年同期比横ばいの31億米ドルで、売上構成比は27%。PC市場では33.6%のトップシェアを維持したが、スマホ市場の競争激化で、営業利益率は4.4%へ1.1ポイント低下した。アジア太平洋市場の売上構成比は15%。モトローラ効果で、スマホ出荷が40%急増した。欧州/中東/アフリカの売上構成比は26%で、PCのシェアは20.5%。北米・中南米の売上構成比はモトローラおよびシステムXの買収効果で32%。3月通期のPCシェアは過去最高となる11.7%だった。