卸売部門が2桁成長持続、値下げ率の縮小に伴う利益率改善を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02020 安踏体育用品有限公司(アンタ・スポーツ・プロダクツ)  17.74 HKD
(05/14現在)
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安踏体育用品の2015年第4四半期向け商談会における成約額が、前年同期比で2桁台前半の伸びを達成した。また、第1四半期の既存店売上高の伸び率(SSSG)は前四半期と同様、1桁台後半の伸び。平均販売価格と販売量がいずれもプラス成長を確保し、うち販売量の増加ペースが平均価格の上昇率を上回った。品目別では、フットウェアおよび機能性商品の売れ行きが相対的に好調だった。BOCIは実売率の向上を理由に、16年には卸売部門の値下げ幅が縮小すると予想。卸売り値下げ率の改善や売れ行き回復を受けた利益率の上昇を見込み、15-17年の予想純利益をそれぞれ1-3%の幅で増額修正した。

同社中核ブランドのSSSGは、第1四半期まで6四半期連続で1桁台後半の伸びを維持した。在庫率は4-5カ月と正常レベルにあり、同社の執行力の高さや業界全体の在庫状況の改善を伺わせている。また、フィラ(Fila)をはじめとする同社の非中核ブランドのSSSGは、前年実績の低さもあって20%超の伸びを達成した。

BOCIの推定によれば、第1四半期にはフットウェアの平均販売価格の上昇率が1桁台半ばに達し、アパレルの1桁台前半を上回ったという。フットウェアと機能性商品の販売好調はプロフェッショナルブランドとしての同社のイメージ向上につながる見込み。長期の成長持続にも寄与する可能性が高い。

一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスクは、海外ブランドの一段のシェア拡大や、国内ブランド間の競争激化、営業経費の増大など。

15年もすでに半ばを迎えたことで、BOCIは予想EPSの15-16年平均値(0.875元)を基に、フォワードPER18倍などをあてはめて目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対する強気見通しを継続した。また、スポーツ用品銘柄の中では、李寧(02331)に関しても強気の見方。業績立て直しや過去3年間のアンダーパフォームを受けた現在株価の値ごろ感などを理由に、安踏体育用品よりも李寧を選好している。