15年1-3月期に11%増益、セクター全体と逆行して利益成長持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03618 重慶農村商業銀行股フン有限公司(チョンチン・ルーラル・コマーシャル・バンク)  6.77 HKD
(04/30現在)
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重慶農村商業銀行の2015年1-3月期の純利益は前年同期比10.6%増の20億元と、BOCIの予想通りの水準だった。また、貸出/預金の相対的に高い伸びや利ざやの改善、手数料収入の拡大、費用収入比率の低下、不良債権比率の低下といった点で、ファンダメンタルズの一段の改善を伺わせた。BOCIはH株の中小銀行銘柄の中で、同行をトップピック銘柄に選定。この先も安定的な利益成長を持続し、セクター全体の下降トレンドと逆行する見通しを示した。15年予想PBR(株価純資産倍率)1.2倍の水準に目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

預金残高は1-3月期に前四半期比9.3%増と、上場銀行銘柄の中でほぼ最大の伸びを示した。重慶市の地方住民が旧正月に帰省し、この1年で貯めた資金を預金したことが寄与したもよう。BOCIは重慶市地方部の手厚い顧客基盤に言及した上で、銀行間の預金獲得競争が同行に及ぼす影響は相対的に軽微と予想している。

1-3月期の純金利マージンは3.28%と、前年同期比で11ベーシスポイント低下。前四半期比では横ばいだった。貸出残高に占める不動産ローンの比重が相対的に高い同行の場合、利下げ(基準金利の引き下げ)に伴う貸出金利の調整ペースが速く、同期の純金利マージンが前四半期並みを維持したことは予想以上の健闘。BOCIは資金コストの管理強化が寄与したとみている。また、利下げや金利自由化が進む中にあっても、同行の純金利マージンの縮小ペースはセクター平均より小幅にとどまる見通しを示している。

1-3月期の不良債権比率は0.78%と、前四半期比で4ベーシスポイント低下。同業銘柄との比較で資産の健全性を維持した。また、不良債権比率が低下したにもかかわらず、引当金計上額は前年同期比58%増。これにより、引当率は前四半期を16ポイント上回る476%に達し、同業銘柄の中で最も高い水準となった。BOCIは引当率の高さや重慶市経済の堅調見通しを理由に、同行の不良債権リスクは限定的とみている。

BOCIによると、同行株価は現在、15年予想PBRで1.06倍、同予想PERで6.77倍の水準で取引されている。BOCIはレーティングの見直しにつながる可能性がある潜在リスクとして、重慶市の経済あるいは政治リスクを指摘しながらも、同行株価の先行きに対して強気見通しを据え置いている。