既存店売り上げ低調も同業銘柄を上回る業績回復を予想、本土部門の比重の高さが強み

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01929 周大福珠宝集団有限公司(チョウ・タイフック・ジュエリー)  8.80 HKD
(04/16現在)
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周大福珠宝集団の15年度第4四半期(15年1-3月期)の既存店売り上げ伸び率(SSSG)は、香港・マカオ、中国本土でそれぞれ前年同期比26%減、9%減と依然低調だった。ただ、宝石製品の前期比のSSSGは両市場でそろって改善傾向を示した。地域別では香港・マカオより本土市場で回復傾向が顕著。BOCIは同業他社と比較した本土事業のウエートの大きさや宝石製品の供給力の高さといった同社の強みを指摘。16-17年度の利益成長率が同業銘柄を上回るとみて、株価の先行きに対する中立見通しを継続した。

15年1-3月期の香港・マカオのSSSGは前年同期比26%減と、旧正月期限定の同29%減をやや上回った。ただ、前年同期実績が低かったにもかかわらず、前期(14年10-12月)の同21%減に比べ、一段と下げ幅が拡大した。一方、本土のSSSGは1-3月期に同9%減(旧正月期は同11%減)と、前期の同15%減から縮小している。製品別に見ると、貴金属、宝石類のSSSGが1-3月期にそれぞれ19%減、6%減と、前期の同21%減、同12%減からやや改善傾向を示した。香港・マカオの不調を本土の相対的な堅調がカバーした格好。経営陣によれば、うち宝石製品の売れ行きに関しては、本土、香港・マカオの両市場で改善傾向を示したという。

BOCIは16年度、17年度の増収率が同業他社を上回ると予想。その理由として、本土部門の相対的に力強い回復傾向や同部門の売上構成比の高さを挙げた。同社の場合、本土の売上構成比が15年度上期(14年4-9月期)に58%と、競合の六福集団(00590:同28%)を大きく上回る水準。同社全体の売上伸び率は15-17年度に年率8%と、六福集団の1%を上回る見通しという。また、BOCIによると、周大福珠宝集団の強みは六福集団と比較した宝石製品の生産力の高さ。国際金相場の軟調見通しでゴールド製品需要に不透明感が漂う中、宝石製品の堅調が同社の収益回復力を下支えするとみられる。

香港・マカオの予想SSSGの引き下げに伴い、BOCIは15-17年度の予想純利益をそれぞれ6%、11%、13%減額修正した。15-17年度の香港・マカオの予想SSSG(修正後)はそれぞれ前年比31%減、10%減、前年並み。一方、本土の予想SSSGは前年比16%減、10%増、10%増。同社純利益に関しては15年度に前年比22%減、16年度、17年度に関してはそれぞれ同7%増、同13%を見込んでいる。

BOCIは金相場の変動や香港を訪れる旅行者の減少などを同社の潜在リスクとして指摘。目標株価を12年フォワードPER15倍の水準に引き下げ、株価の先行きに対して中立見通しを継続している。