5月に新たなカジノ開業、VIP部門苦戦も同業銘柄をアウトパフォームへ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00027 銀河娯楽集団有限公司(ギャラクシー・エンターテイメント)  37.95 HKD
(04/16現在)
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銀河娯楽集団の2015年1-3月期決算は市場の予想通りの内容となり、VIP部門の苦戦が続く可能性を示唆した。業績安定化に向けた明らかな兆しは、現時点では見えない状況だ。ただ、同社は5月に『ギャラクシー・マカオ』第2期をオープンする運び。これが競合他社にとってマイナスとなり、結果的に同社のシェア拡大につながる見通しという。BOCIは同社株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。

同社はカジノ銘柄の先頭を切って1-3月期決算を発表した。同期決算は低調で、売上高、調整後EBITDAはそれぞれ前年同期比32%減の137億HKドル、同40%減の23億HKドルにとどまったが、これは市場の予想通り。一方、VIPカジノ部門の予想以上の低迷などが響き、BOCIの予想を3.4%、3.0%下振れた。

1-3月期のVIPカジノ収入は、『ギャラクシー・マカオ』で前年同期比34%減、『スターワールド』で同48%減。VIPカジノ収入全体の減少幅は業界平均より小幅にとどまったとみられる。うち『スターワールド』ではジャンケット(VIP仲介人)5人が離れたことで、VIPカジノテーブルが前年同期比で50%縮小したが、BOCIは業界全体の供給不足を理由に、この分のVIPテーブルが他施設に再配分されるとみている。一方、『ギャラクシー・マカオ』の一般客ハイエンド部門の貢献で、一般客カジノ収入は1-3月期に前期比6%増。前年同期比では17%減と、業界平均をアウトパフォームした。

『ギャラクシー・マカオ』2期および『ブロードウェイ・マカオ』は5月27日にオープンする予定。両施設開発の設備投資額はそれぞれ196億HKドル、18億HKドルに上るとみられ、これまでに129億HKドル、10億HKドルを投下した。3月末時点で、同社の純現金収支は60億HKドルのプラス。BOCIは15年に再び特別配当を実施する可能性を指摘している。

BOCIは新規カジノの開業に伴う市場シェア拡大を見込みながらも、15年のVIP部門の増収率に関する予想を前年比40%減へ5ポイント下方修正した。また、これに伴い、15年の売上高、調整後EBITDA、純利益見通しをそれぞれ7%、6%、6%減額修正した。

BOCIによると、レーティング見直しにつながりかねない同社の潜在リスクは、カジノ施設における全面禁煙措置の導入や、中国本土でのマカオ渡航規定の厳格化、新規施設開業後の需要が市場予想を下回ることなど。ただ、BOCIは目標株価を小幅に引き下げながらも、同社業績が今後も業界平均をアウトパフォームすると予想。5月の新規カジノ開業を理由に、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。