不採算店閉鎖準備などで14年に34%減益、15年も一桁減益か

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03368 百盛商業集団有限公司(パークソン・リテール)  1.73 HKD
(02/13現在)
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パークソン・リテールの2014年本決算は、BOCIの予想を大きく下回る前年比34%の減益となった。15年の旧正月時期が例年より遅かったことや大幅値下げの実施、さらに15年の1-2店舗の閉鎖に向けた準備金計上などで、10-12月期の業績が悪化したことが響いた。経営陣は続く15年の通期利益についてほぼ前年比横ばいを見込んでいるものの、BOCIはこの先も不採算店閉鎖に絡む準備金計上が続く可能性などから、15年の業績に対してやや慎重。また、同社は従来型百貨店から「ライフスタイル型」へのコンセプト転換を進めているが、こうした戦略は同業銘柄が過去に試した上に、さしたる成果を上げられなかった経緯があり、投資家にとっては魅力が薄いとの見方だ。BOCIは利益見通しの下方修正に伴い、目標株価を引き下げ、株価の先行きに対する中立見通しを継続した。

テナント売り上げを含む14年通年の総売上高は前年比4%減の167億元と、BOCIの予想から2%下振れた。既存店売り上げ伸び率(SSSG)が予想の同6%減を超える7%の落ち込みを示したことが一因。15年の旧正月が例年より遅い2月19日だったことで(14年は1月31日)、14年10-12月期のSSSGは前年同期比5%減と、前四半期の同4%減から下げ幅が拡大した。商品売買部門の粗利益率は17.5%と、ほぼ前年並みながらも予想の18.1%を下回った。1-9月期に前年同期を0.4ポイント上回った粗利益率が10-12月期には同1.1ポイント低下したことになり、BOCIは大型セールが影響したとみている。また、14年の純利益は前年比34%減の2億3,500万元と、BOCIの予想を34%の幅で下振れた。既存店純利益は同11%減。こうした数字は経営陣が昨年11月に発表した「前年並み」との見通しから下振れた。

経営陣は15年について小幅の増収を見込み、粗利益率と純利益に関しては前年並みになるとみている。14年に2桁減少したプリペイドカード(売上全体の12%)利用の売り上げが底入れするとの見方。不採算店の閉鎖数は14年の4店舗に対し、15年には1-2店舗となる見通しを示した(この分の準備金1億500万元は14年に計上済み)。また、15年の設備投資予算は3億-4億元で、5店舗の新規出店と既存店舗の改装に振り向けるという。このほか、長期的には独占取り扱いブランドやプライベートブランドの投入で、直接販売部門の売上比率を現在の10%から30%に引き下げることが目標。ショッピング体験の充実に向けた外食関連事業者の買収計画も明らかにした。

14年決算が予想を下回ったため、BOCIは15-16年の予想売上高を2%、予想粗利益率を0.5ポイント、純利益率を0.7-0.9ポイント下方修正。その結果、15年、16年の純利益見通しを37%、42%大きく減額修正した。最新の予想純利益はそれぞれ前年比で5%減、同1%減となる。