委託売買主体の証券大手、本土A株相場の好況が追い風

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
06881 中国銀河証券股フン有限公司 (チャイナ・ギャラクシー・セキュリティーズ)  8.57 HKD
(02/12現在)
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中国銀河証券は中国本土の証券大手の1社であり、営業収益の5割以上をブローカレッジ(委託売買)業務が占める。この点を強みに信用取引業務を構築し、同業務がすでに部門別で2番目の稼ぎ頭となった。ただ、その他ビジネスは競合各社より出遅れているのが現状。BOCIは委託売買主体の同社について、本土A株市場の好況によるプラス影響を受けやすい半面、中期的にはオンライン証券との競争激化に直面する可能性を指摘している。2015年のA株相場に対する楽観見通しから、同社株価の先行きに対して強気見通しを示しながらも、ビジネス構成上の問題点に言及。バリュエーションの一段の上昇余地は限られるとの見方を明らかにしている。

銀河証券の証券委託売買高の国内シェアは14年に5.03%で、中国系証券の中では3位。営業収益に占める委託売買業務の割合は14年上期に50%と、H株同業銘柄である中信証券(06030)の25%、海通証券(06837)の24%を明らかに上回った。この点から、銀河証券は株式市場の売買規模や手数料率の変化による影響を受けやすい。BOCIは15年について、売買高の拡大が手数料率の低下を補い、利益成長ペースの加速を後押しするとみている。

同社は支店の増設を通じて委託売買業務をさらに強化する方針だが、実店舗はオンラインに比べてコスト効率の点で劣る。BOCIはオンライン証券サービスが15-17年に急速に普及すると予想。同社の市場シェアや手数料率を圧迫する可能性を指摘している。ちなみに同社の支店数は業界最多の330店舗(31省市)。14年には支店開設を加速させ、支店全体の30%を14年中に出店したが、同年の段階ではシェア拡大効果はみられなかった。 信用取引業務の増益ペースは15年に減速するとみられるが、それでも引き続き同社全体の利益成長をけん引する可能性が高い。また、A株、H株の資本増強を実施した後には、株式レポ貸付といったその他資本ベースのビジネスが新たな成長エンジンとなり、資金利益の伸びをけん引する見通しという。

投資銀行業務や資産運用、自己勘定取引といったその他ビジネスはH株同業銘柄に比べて出遅れているが、これは戦略の欠如や市場の変化への対応の遅れなどが原因。BOCIはうち一部業務の成長潜在力を指摘しながらも、15年-17年の段階では目立った収益貢献は期待しにくいとみている。

同社の現在株価は15年予想PBR(株価純資産倍率)1.3倍の水準にあり、中信証券、海通証券をそれぞれ30%、17%下回る。BOCIは配当割引モデル(DDM)に基づき目標株価を設定し、17%の上値余地を指摘。同社株価の先行きに対して強気の見通しを明らかにしている。