15年の生産目標は10-15%増、設備投資は最大35%削減へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00883 中国海洋石油(シーエヌオーオーシー)  10.64 HKD
(02/04現在)
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中国海洋石油は2015年の生産目標を前年比10-15%増に設定した。これはBOCIの予想(同19%増)を下回る水準となる。また、15年の設備投資については前年比で26-35%削減する計画を明らかにしたが、これは世界の石油大手各社の同10-20%減を超える削減幅になるという。同社は原油相場の下落と不安定化を受け、成長見通しとキャッシュフローをにらんだ綱渡りを強いられている状況。BOCIは同社が示した投資予算について、内部資金でまかなうことが可能と指摘。現時点では原油相場に関する想定値を据え置き、同社株価の先行きに対する中立見通しを維持している。

14年の原油・ガス生産量は前年比5%増の4億3,200万BOE(石油換算バレル)と、経営陣の予測(4億2,200万-4億3,500万BOE)の範囲内だった。15年の生産目標は前年比10-15%増の4億7,500万-4億9,500万BOEで、これはBOCIの予想を4-8%下回る数字。また、16年、17年の生産目標はそれぞれ5億900万BOE、5億1,300万BOEで、BOCIの予想を5-6%下回った。

BOCIは現在、原油相場に関する予想値の見直しを進めている。最終的な数字は固まっていないものの、大幅な下方修正は確実。ICEブレンド原油の15年平均値に関する現行予想が1バレル=90.4米ドルであるのに対し、実際の相場は約50米ドルと、大きな開きが生じているためだ。BOCIは感度分析の結果、原油価格が1%下落するごとに、同社の15年利益見通しが2%目減りすると指摘。原油安や予想を下回る生産目標に言及し、予想純利益および予想NAV(純資産価値)を大きく下方修正する可能性が高いとしている。現在の目標株価は19%の上値に当たるものの、この先目標株価を大きく引き下げる可能性に触れ、現時点では中立見通しを継続した。一方、BOCIはレーティングの上方修正につながる潜在的な要因として、原油相場の急回復や予想以上のコスト削減を挙げている。