14年10-12月期決算予想上振れ、モトローラ端末は販売好調

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00992 聯想集団(レノボ・グループ)  10.92 HKD
(02/03現在)
 株価
 企業情報
 チャート

レノボ・グループの2015年度第3四半期(14年10-12月期)決算はパソコン部門の利益率改善や買収したモトローラの携帯端末部門の売れ行き好調を受け、市場コンセンサス予想を上振れた。同期にはモトローラ携帯を中国市場に再投入したが、事前注文は旺盛だったという。一方、IBMから取得したx86サーバビジネスは依然縮小局面にあるが、レノボは今後の立て直しに自信を示している。BOCIは既存のPCビジネスと新規取得事業の両方について、この先の成長を予想。目標株価を引き上げるとともに、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。

10-12月期の売上高は前年同期比31%増の141億米ドル。税引き前利益(PTI)は同15%減の2億7400万米ドルと、市場予想およびBOCI予想をそれぞれ9.6%、15%上回った。EMEA(欧州・中東・アフリカ)市場のウエート拡大で、PC部門の税引き前利益率が2.0ポイント改善したことが予想上振れの一因。また、モトローラブランドの端末出荷台数は前年同期比118%増の1060万台に達した(ほぼ11-12月限定)。同期はモトローラ端末が約2カ月にわたって貢献するとともに、IBMから買収したx86サーバビジネスがフルに寄与した初の四半期となったが、PTIの2桁減はモトローラ部門とx86ビジネスの赤字が原因だった。非現金のM&A関連費用は同期に7,400万米ドル。この要因を除外した場合、同期のPTIは前年同期比8%増の3億4,800万米ドルだった。

同社は中国市場にモトローラのMoto GおよびMoto X端末を投入したが、事前注文は100万台と好調。経営陣は今後の成長潜在力を見込み、「モトローラ」ブランドを維持する方針だ。レノボブランドとの共食いを避けるため、モトローラを中価格およびハイエンドと位置付ける。また、向こう12-18カ月で4億-5億米ドルのコスト削減を実施し、買収完了(14年10月30日)から4-6四半期以内の黒字化を目指すという。 一方、IBMのx86ビジネスは同期に4,200万米ドルの税引き前損失を計上したが、経営陣は高コスト体質やスケールメリットの欠如が問題との認識。コスト削減や市場シェア拡大を通じた経営立て直しに自信を示すとともに、PC部門を上回るPTIマージンを達成するとの楽観見通しを維持している。 10-12月期決算は、PC部門では出荷台数が前年同期比5%増加し、世界シェアは20%。部門PTIは4億9,400万米ドルと、過去最高を記録した。モトローラを含む携帯端末部門は税引き前で8,900万米ドルの赤字。モトローラ、レノボ両ブランドの世界シェアは計6.6%となり、ベンダー別で世界3位に浮上。地域別ではEMEA市場が成長牽引役となり、売上高は前年同期比40%増の40億米ドル。EMEAのPC市場で19.6%(前年同期比4.4ポイント高)のシェアを握り、13カ国でトップブランドとなった。一方、中国での売上高は同社全体で1%微増の41億米ドルで、売上構成比は29%だった。