1月の販売台数、ニューモデルの出足好調で60%超の伸びを達成か

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00175 吉利汽車(ジーリー・オートモービル)  3.12 HKD
(01/26現在)
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吉利汽車の2015年1月の販売台数について、BOCIは前年同月比60%超の伸びを予想している。前年同月実績の低さに加え、「新帝豪」(Xindihao)、「新遠景」(New Vision)といったニューモデルの予想以上の売れ行き好調が理由。第1四半期の販売伸び率は業界全体を上回るペースで推移する見通しという。また、15年には製品ミックスの改善や仕入れコストの低減、赤字の生産施設の売却を受け、利益率が上向くとの見方。現地通貨ルーブルの急落に伴うロシア事業の赤字見通しに関しては、同社が輸出ビジネスを学ぶ機会になったと前向きに受け止めている。複数の経営幹部が最近、自社株の購入に動いたことについても、BOCIは先行きに対する経営陣の自信を反映していると指摘。目標株価を引き上げた上で、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。

新型EC7(新帝豪)および新遠景に対するエンドユーザー需要は旺盛で、両モデルの受注台数は3万台を突破した。BOCIはこれを受け、1月の小売ベースの販売台数が約6万台を記録すると予想。卸売台数も5万5,000-6万台に上ると予測し、前年比で60%超の伸びを見込んでいる。

経営陣が設定した15年通期の販売目標は前年比7.7%増の45万台。輸出に関しては不透明感が残るものの、BOCIはニューモデル2車種の好調に伴う国内販売の好調を予想。経営陣が示した目標値をやや低めと受け止め、通期の予想販売台数を45万台から46万台に引き上げた。新たな予想値に関してもこの先一段の上方修正余地を指摘している。

生産台数の増加に伴う仕入れコストの軽減で、「新帝豪」の利益率は15年に上向く可能性が高い。さらに同社は赤字の遊休生産施設の売却を計画中。BOCIはすでに売却が決まった蘭州工場だけでなく、この先、済南工場(1シフト当たり年産5万台規模)を手放す可能性を指摘し、設備稼働率や利益率の改善を見込んでいる。 複数の同社幹部が最近、1株当たり2.90-2.99HKドルで自社株計1,594万5,000株を買い入れた。これより前の14年11-12月には、筆頭株主の李書福会長が1,707万5,000株の買い増しを実施。BOCIはこうした経営陣の動きを前向きに受け止めている。 BOCIは国内販売の好調を見込み、15年、16年の利益見通しをそれぞれ1.5%、1.4%上方修正。15年予想PER11倍をあてはめる形で目標株価を引き上げた。現在株価は15年予想PERで9.1倍、16年予想PERで7.9倍の水準。短期的には1月および第1四半期の販売台数の伸びが支援材料となる可能性を指摘している。